院長ブログ

更年期障害の整体|治療や対策について自律神経症状専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、更年期障害をはじめとする自律神経症状の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、自律神経症状専門の整体師である私の経験をもとに、更年期障害の原因や当院での整体についてお話ししていきたいと思います。

更年期障害の症状一覧

更年期障害で起こりやすい症状についてご紹介していきます。

症状の一例としては、

  • 動悸
  • 息切れ
  • 不眠症状
  • 疲れやすい、疲れが抜けない
  • イライラ
  • 意欲の低下
  • 不安感
  • うつ症状
  • のぼせ、ほてり(ホットフラッシュ)
  • 発汗
  • 肩こり
  • 頭痛
  • めまい
  • 腰痛
  • 肥満
  • やせ
  • 嘔吐

などが挙げられます。

ご覧の通り、更年期障害の症状は本当に多岐にわたります。

しかも、上記はほんの一例であり、他にもたくさんのものが存在します。

更年期に入って初めて感じるような症状もあるため、

「今までこんなことなかったのに…」

と精神的にも辛い状態に陥るケースもあります。

更年期障害について

更年期障害について解説していきます。

(※男性更年期もありますが、今回は女性の更年期障害についてお話しさせていただきます。)

更年期とは、閉経に伴う前後10年ほどの期間のことを指します。

日本人女性の場合、平均的な閉経年齢が50歳ぐらいと言われていますので、およそ45〜55歳ぐらいの時期のことを更年期と呼ばれています。(閉経の時期には個人差があるため、多少は前後します。)

この時期に起こりやすい不定愁訴などを含め、更年期障害と呼ばれています。

更年期障害が起こるメカニズム

更年期障害が起こるメカニズムについてご紹介していきます。

更年期障害は、閉経に伴う女性ホルモンの分泌減少によって起こると言われています。

女性ホルモン(中でもエストロゲン)が減少すると、それまで統括されていた身体の機能がバランスを崩してしまいます。

女性ホルモン自体は卵巣から分泌されますが、その分泌の司令塔は脳です。

女性ホルモンの減少を察知した時に、「おーい、もう少し分泌を増やしてよー」と脳から命令が出ますが、閉経の時期はそのような連携がうまく取れなくなってしまいます。

その際に起きる脳の異常な興奮などから、更年期障害の様々な症状を引き起こしてしまうとも言われています。

まとめると、更年期障害は身体が急な変化に対応できずに不調をきたしている状態です。

病院での治療について

病院での更年期障害の治療についてご説明していきます。

病院での更年期障害の治療法としては以下のようなものがあります。

  • ホルモン補充療法
  • 漢方薬の処方
  • 抗うつ剤、抗不安薬の処方

それぞれ解説していきます。

【ホルモン補充療法(HRT)】
更年期で減少する女性ホルモン(エストロゲン)を補充する治療法です。

子宮がある場合は、エストロゲンと黄体ホルモンを併用することが多く、子宮がない場合はエストロゲンがメインで扱われます。

補充の方法としては、飲み薬・貼り薬・塗り薬のタイプが存在します。

基本的には毎日服用する必要があり、貼り薬の場合は数日に一度貼り替える形となります。

【漢方薬】
体質に合わせて漢方薬を処方することがあります。

漢方の処方の際には「四診(ししん)」を用いて、脈や舌・腹部などの診断を行い体質を判断していきます。

更年期障害の際によく処方される漢方としては、

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 温経湯(うんけいとう)
  • 五積散(ごしゃくさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 温清飲(うんせいいん)
  • 当帰芍の花薬散(とうきしゃくやくさん)

などがあります。

体質改善の治療であるため、体調の変化が出るまでにはしばらく期間がかかるケースが多いのも特徴のひとつです。

【抗うつ剤、抗不安薬】
不安感や意欲の低下(うつ症状)・イライラなど、精神症状を抑えるために抗うつ剤や抗不安薬が用いられることがあります。

更年期障害ではメンタルケアも重要となるため、薬物療法以外にもカウンセリングなどを勧められるケースも。

一人で抱え過ぎないことも、更年期を乗り越えるための大切な要素です。

更年期障害における治療ポイント

更年期障害でお悩みの方に共通する身体の問題点・治療する際のポイントについて、私の臨床経験も交えてお伝えしていきます。

胸部(胸膜・心膜)

胸部にある膜組織の問題は、更年期障害での治療ポイントとなります。

胸部には、写真のように筋肉や神経・膜組織が無数に張り巡らされています。

私の経験上、更年期障害をはじめとする自律神経症状や高血圧、ほてり・発汗などの循環器症状をお持ちの方は、この胸部の硬さを抱えているケースが多いです。

特に、心臓との関連もあってか、左の胸部に硬さなどの問題が起こりやすくなっています。

(※施術の際に直接胸に触れることはありません。周辺の組織に働きかけることで局所にも作用させます。)

よく「肩が前に入る」とか「巻き込み肩」と表現されますよね?

胸部の問題はそれと近いイメージで、前胸部の緊張が加わることで更年期の症状だけでなく、姿勢不良などの構造面の問題にもつながります。

また、前胸部が硬くなったり緊張すると、心臓や肺などの働くスペースが狭まってしまうような状態になります。

柔らかさとスペースのゆとりがあれば十分に機能しますが、硬くて狭い状態であれば何かきっかけ一つで症状を引き起こすことになります。

後頭部〜頚部

後頭部〜頚部の問題も、更年期障害の症状の原因のひとつとなります。

下の写真で示されたように、後頭部や頚部にはたくさんの神経や血管が通ります。

後頭部の骨や神経のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

そのため、この周辺に歪みや硬さなどの問題が起こると、栄養されている先の部位で何かしらの症状を引き起こす可能性があるのです。

例えば、近いエリアでは頭痛、首・肩こり、のぼせ、めまいなどが起こりやすくなります。

また、内臓や呼吸器・循環器を栄養する神経もここから出てくるため、消化器症状、動悸・息切れ、イライラ、不安感などの自律神経症状にもつながってきます。

つまり、筋肉や骨格の問題だけでなく、神経支配なども頭に入れた上で施術を行うことが、更年期障害の症状を改善に導くために必要となります。

背骨〜仙骨

背骨のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

背骨から仙骨にかけての問題も更年期障害の治療ポイントとなります。

なぜなら、背骨や仙骨には自律神経が通っており、それらが歪んだり硬くなることで様々な不定愁訴を引き起こすからです。

特に、うつ症状などが出ている場合は、副交感神経との関連が深い仙骨の調整が特に重要となります。

仙骨を示した骨模型

その他にも、更年期障害に伴って起こる不定愁訴を改善するためには、自律神経のバランスにも目を向けて施術を行う必要があります。

水分不足

水分不足という要素も、更年期障害を助長する要因のひとつです。

上記でご説明した自律神経にしろ、身体を動かす際の運動神経にしろ、私たちが身体を動かす際には神経がうまく伝達することで成立しています。

神経伝達を行うためには水分が必要不可欠で、枯渇している状態ではスムーズな神経伝達は行われません。

更年期障害の方にヒアリングしていると、水を1日に1リットルも飲んでいないケースや、ジュースやコーヒーなどを含めて水分摂取と位置付けている方も多かったりします。

ミネラル成分も身体の機能を最大限発揮するために重要となりますので、日本人の体質とマッチする国産のミネラルウォーター(軟水、海洋深層水など)を1日1.5〜2リットルを目安に摂られることをおすすめします。

当院の更年期障害の整体

当院における更年期障害の整体の流れについてご説明します。

・構造的な問題の検査

身体の歪みなど、構造面の問題について全身をチェックしていきます。

こちらの記事でもお伝えしているように、胸部や背骨などの構造面の問題は更年期症状の原因のひとつであるため、この構造面の検査がとても重要となります。

・神経伝達の検査

神経学的検査をしている様子

神経学的な検査を用いて、神経伝達の状態を確認していきます。

身体の構造的な問題だけでなく、ホルモンバランスをつかさどる神経伝達の問題をクリアにすることも大切です。

神経伝達をよくするためのセルフケアなどもお伝えすることができます。

・構造面へのアプローチ

肩背部の整体施術の風景

検査や触診によって得られた情報をもとに、構造面の問題を取り除いていきます。

更年期障害の症状に関わる胸部・背骨・頭部の問題にもアプローチを行います。

・体液循環の促進

体液循環の調整の様子

神経伝達の促進や身体の回復力を高めるためには、体液循環の促進が効果的です。

マッサージや温浴などでは改善が難しいリンパ液や、脳脊髄液(CSF)の調整を行っていきます。

・自律神経の調整

自律神経の調整をしている様子

自律神経の状態を整えていきます。

更年期障害では不眠症状に悩まれる方も多く、休息したりリラックスできる状態を作ることも治療の一環です。

施術をしている際にウトウトして眠ってしまう方もたくさんいらっしゃいます。

まとめ

更年期障害についてまとめていきます。

  • 更年期は閉経前後の約10年間を指す
  • 女性ホルモンの減少が主な原因となる
  • 身体症状だけでなく、精神症状も出てくる
  • ホルモン分泌系を調整していく必要がある
  • 胸部、後頭部、背骨、水分不足も関連


更年期障害では、閉経に伴うホルモンバランスが大きく関連するため、身体のホルモン分泌に関連する機能へのアプローチが重要となります。

こちらの記事でお伝えしたように、ホルモン分泌の中枢は脳にあるため、整体であたまの周辺環境を整えてあげることも対策のひとつです。

もちろん、病院でのホルモン補充治療なども選択肢のひとつではありますが、あくまでも外から補うことで症状を軽減させていることを認識しておきましょう。

ご自身の身体に歪みや硬さなどの問題があれば、それをクリアにしておくことが更年期障害による不調改善の糸口ににもなります。

いつまでも元気で楽しめるよう、今の時期だからできるケアにぜひ取り組んでみてくださいね。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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