院長ブログ

ストレートネックの整体|原因や解消法を慢性症状専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、ストレートネックをはじめとする姿勢改善の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、ストレートネックの原因や当院におけるストレートネックの整体についてお話ししていきたいと思います。

ストレートネックについて

ストレートネックとは、頸椎に本来あるはずのカーブが失われ、真っすぐになっている状態のことを指します。

頸椎は通常、前弯(ぜんわん)するような形になっており、前方に対して柔らかな曲線を描いています。

ストレートネックの説明図

ストレートネックでは、その頸椎の前弯がなくなり、上の写真のような状態になってしまいます。

「ストレートネック」という言葉が一般的になっている現代では、デスクワーカーなどを中心にかなりの数の方がこのような姿勢のお悩みを抱えていると言われています。

当院に来られる方の中にも、

「私、ストレートネックなんです」
「整形外科でストレートネックと言われました」
「スマホ首を何とかしたい」

といったご相談をいただくケースが非常に多いです。

さらに、ストレートネックは見た目だけの問題ではなく、その状態が慢性化することで身体の別の箇所の問題や症状を引き起こすきっかけにもなります。

ストレートネックが起こっている原因を見つけ出し、適切に対処していくことが今後の健康面においても大切なことです。

ストレートネックの原因

ストレートネックの原因は、主に生活習慣にあると言われています。

例えば、

  • 長時間のデスクワーク
  • スマホ画面の見過ぎ
  • 習慣的な不良姿勢の継続
  • 合わない枕を使っている


などが挙げられます。

短時間であれば大きな問題はありませんが、上記のような環境が長時間・習慣的に続くと、脳はその状態を形状記憶してしまいます。

顔が前方へ突出し、頸椎の前弯のカーブが少ないのが当たり前になってしまった結果、ストレートネックの状態につながってしまうのです。

一般的な対処法とその注意点

ストレートネックに対する一般的な対処法と注意点について解説していきます。

主なものとしては、

  • 意識的に姿勢を正す
  • 肩や首の筋肉をほぐす
  • 首の骨を矯正する
  • 装具をつける
  • 薬、鎮痛剤


などがあります。

ひとつずつ解説していきます。

意識的に姿勢を正す

首の猫背のイメージ図

ストレートネックを治すために、普段から意識的に姿勢を正すことをすすめられるケースがあります。

たしかに、姿勢の習慣を変えることで悪化することは防げるのかもしれません。

しかし、この対処法の難しさは、実際にやったことのあるご本人が一番よくご存知かと思います。

仕事や作業に集中していると、正直なところ四六時中、姿勢を意識しろと言われてもすぐに元の状態に戻ってしまいますよね。

そもそも、ストレートネックをはじめとする姿勢トラブルには、長時間・習慣的に続いた不良姿勢によって起こる身体の問題があるはずです。

根本改善を目指すのであれば、そのような身体の問題を取り除いていくことも合わせて行う必要があると考えます。

肩や首の筋肉をほぐす

ストレートネックの対処法のひとつに、肩や首の筋肉をほぐすというものがあります。

もしも、ストレートネックの原因が筋肉だけにあるのであれば、その方法で改善は見込めることでしょう。

しかし、ほとんどの場合は首の筋肉だけでなく、全身の問題が関連して起こっているため、それだけでは改善されないケースがほとんどです。

また、ストレートネックでは、写真のように顔が前にいくことで首の背面の筋肉は引き伸ばされた状態となります。

肩の筋肉が引き伸ばされているイメージ図

それによってストレッチをかけられている状態となるため、首の筋肉をほぐしてしまうことでさらにストレッチがかかり余計に負担が大きくなってしまいます。

そのため、筋肉をほぐして良いのかどうか、他の可能性も考慮した上で多角的に見ていく必要があります。


首の骨を矯正する

ストレート”ネック”というぐらいですから、やはり局所である首の歪みは改善のための大きなポイントとなります。

ただし、ストレートネックの際のアプローチポイントは頸椎だけではありません。

多くの場合は胸椎のエリアにも問題が起きているため、頸椎と合わせて整えていく必要があります。

解剖学的にも、頸椎はその他の背骨や組織などと連動して動いており、頸椎単体で動いているというケースはあまり多くはありません。

全体をチェックした上で、必要な原因箇所を整えていくことが重要です。

装具をつける

ストレートネックの治療では、首への装具をつけて対処する方法があります。

主に整形外科などで首のカラー装具を用いたり、ネットなどでもストレートネック対策の装具が市販されています。

注意点としては、装具によって矯正される頚椎のカーブが、必ずしも本人にとってベストなものとは限らないということです。

先述のように、ストレートネックの原因は胸椎などの首以外のエリアにも起こるため、その場合はいくら装具を付けても原因が取り除かれないと改善できません。

また、お仕事の兼ね合いなどで、長時間装具をつけることが難しい環境にある方も多くいらっしゃいます。

薬、鎮痛剤

ストレートネック治療の選択肢として、病院にて薬・鎮痛剤が処方されるケースがあります。

こちらに関しては、ストレートネック自体を治す目的というよりは、ストレートネックによって硬くなった筋肉を柔らかくしたり、肩首の痛み・こりを緩和するために用いられます。

注意点は2つあります。

ひとつは、上記にあるように、ストレートネック自体を改善する目的ではないということ。

もうひとつは、薬による副作用です。

鎮痛剤については、身体の痛みを感じる感覚神経の受容体など、中枢に対して作用するものとなります。

そのため、長期服用することで本来持っている身体の感覚が鈍ってしまったり、神経伝達におけるトラブルを招く可能性があります。

首の調整だけでは改善しない理由

頭、頚部の整体施術をしている様子

首の調整だけではストレートネックが改善しない理由について解説していきます。

まず初めにお伝えしたいことは、「これさえやっておけば良くなる」といったストレートネックの 万能な治し方は無い ということです。

なぜなら、ストレートネックの原因は人によって違うため、その人に合わせた対処が必要となるからです。

また、ストレートネックが起こる原因は、首以外の要素も大きく関わります。

ストレートネックが起こる首の骨(頚椎)は、その下に続く胸椎・腰椎・骨盤とも構造的に深く関連しており、首以外の問題が絡んでいるケースがほとんどです。

そのため、頚椎の調整だけで改善されるとは言い切れないのです。

むしろ、首やその周辺部位ばかりを集中的に刺激することで本来のバランスを崩してしまい、別の箇所の問題を引き起こす可能性もあります。

ストレートネックに限らず、症状が起きている部位以外の問題にも目を向けることで、根本改善に導いていくことが可能となります。

臨床でよく出会う原因部位

整体施術の臨床でよくあるストレートネックの原因箇所について、私の経験に基づきお伝えしていきます。

胸椎の問題

胸椎の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

ストレートネックでお悩みの方は、胸椎(きょうつい)の問題を抱えているケースが多いです。

胸椎は、ストレートネックが起こる頚椎の下のエリアにあります。

構造的に上下のつながりを持つため、関節の歪みや硬さが直接的に相互に関わってきます。

そのため、もともと頸椎自体に問題がなくても、胸椎の問題が原因となってストレートネックを引き起こすことがあります。

また、このエリアはデスクワークなどで問題が起こりやすく、肋骨などの呼吸に関わる箇所にも影響するため、改善のために特に重要な箇所となります。

頭蓋骨の問題

横から見た頭蓋骨の模型

頭蓋骨に起こる歪みなどの問題も、ストレートネックの原因のひとつです。

頭蓋骨の中には脳があり、脳から神経が出ることによって身体を動かすための電気信号が伝わります。

また、ストレートネックになる原因として、長時間の同じ姿勢などの習慣的な要素が大きく関連します。

そのため、長時間の同じ姿勢によって身体の位置感覚のバランスが崩れると、頭が前に出てしまった姿勢からなかなか抜け出せなくなるのです。

その位置感覚の神経は頭蓋骨内にある脳がつかさどっているため、頭蓋骨の歪みなどを取り除くことがストレートネックの改善には必要であると考えます。

胸部の問題

胸部の組織のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

胸部の硬さや問題なども、ストレートネックに関連します。

ストレートネックでお悩みの方のほとんどは、長時間のデスクワークをしたり、スマホの画面を覗き込むような状態で生活されています。

その際に問題が起こりやすいのが胸部です。

よく言われる「巻き肩」の状態になってしまうと、胸周りの組織が緊張したり硬い状態になったりします。

その問題を取り除くことによって首周りの状態も整うため、ストレートネックの整体では胸部の組織にもアプローチが必要となります。

当院のストレートネックの整体

当院のストレートネックの整体についてご紹介していきます。

・構造面のチェック

背骨のチェックをしている様子

構造的な検査を行うことで、ストレートネックの原因となる箇所を特定していきます。

首だけでなく、背骨全体・四肢の問題までチェックしていきます。

・神経学的検査

神経学的検査をしている様子

脳神経の状態を判断する、神経学的検査を行います。

ストレートネックが起こる一つの原因として、脳の位置感覚のトラブルが挙げられます。

特に長時間のデスクワークなどをされている場合、この位置感覚のトラブルによってストレートネックを始め、肩こり・頭痛などの様々な不調の原因となるため確認が必要です。

・構造へのアプローチ

骨格矯正をしている様子

全身の構造面へのアプローチを行います。

首周りだけでなく、ストレートネックに関わる全身のバランスを整えることで改善を目指していきます。

・体液循環の調整

足の整体をしている様子

血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)を行うことで、ストレートネックの改善に必要な治癒力を高めていきます。

ストレートネックをはじめとする骨格の問題は、骨を栄養するための体液が原因となって起こることもあるため、必ずケアが必要となります。

・自律神経の調整

頭の整体施術をしている様子

自律神経に関連する部位にアプローチしていきます。

ストレートネックの原因である位置感覚の問題に対しても、この神経系の施術によって対策ができます。

・現状や原因の説明

骨盤の模型を用いた説明風景

模型を用いたりしながら、あなたにとって一番分かりやすい形でご説明いたします。

日常でのケアについても、あなたの状態を考慮した上で最適なものをお伝えしていきます。

まとめ

ストレートネックの整体についてまとめていきます。

  • ストレートネックには生活習慣が関連
  • 首の調整だけでは良くならない
  • 首以外の問題も取り除く必要がある
  • 身体の位置感覚の問題も原因のひとつ



こちらの記事でご紹介した通り、ストレートネックの原因には様々なものがあります。

そして、その原因のほとんどは首以外の箇所にあります。

また、ストレートネックを気にされている方はたくさんいらっしゃいますが、多くの場合は肩こりなどのその他の症状も併発しています。

「ストレートネックを治すため」というよりは、問題点をキチッと把握した上で身体全体のバランスを整えていく。

そうすることで、ストレートネックだけでなく、その他の症状も同時に改善されていくのだと私は考えます。

ご自身の姿勢を見直していきたいという方は、ぜひ一度ご相談ください。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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