院長ブログ

背中の痛み・張りの整体|解消法について慢性症状専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、背中の痛みや張りをはじめとする慢性的な痛みの施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、背中の痛みの原因や当院での整体による解消法についてお話ししていきたいと思います。

背中の痛み・張りの症状について

背中の痛みや張りの症状についてご紹介していきます。

臨床でよくみられる症状の一例としては、

  • 作業をしているとよく背中が痛くなる
  • 背中の張り感が気になる時がある
  • 呼吸が浅くなっている気がする、息苦しい
  • 背中のあたりが詰まっているような感じがする
  • 肩甲骨の間がこっている、張っている
  • 背中をギューッと揉んでもらいたくなる
  • 背中に力が入り、うまく力が抜けない
  • 猫背や巻き肩など、姿勢が気になっている


などが挙げられます。

肩や腰はもちろんのこと、ちょうど中間の背中の痛みや張りが気になっている方は臨床的にもかなり多いです。

背中の筋肉は、主に姿勢を維持するために働いています。

立位や座位の姿勢を維持するため、脱力して寝ている時以外は常に緊張することでバランスを保っているため、問題が起こりやすい部位でもあります。

そんな背中の症状の原因や対策を知ることが、症状改善に向かうための第一歩となります。

背中の痛みや張りの原因

背中の痛みや張りの原因についてお伝えしていきます。

一般的に言われている原因としては、

  • 加齢に伴う骨や靭帯の劣化
  • 作業や不良姿勢による負荷
  • 内臓疾患などに由来するもの
  • 精神的なストレスの影響

などが挙げられます。

ひとつずつ解説していきましょう。

加齢に伴う骨や靭帯の劣化

背骨のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

加齢に伴う骨や靭帯の劣化が、背中の痛みなどの症状の原因となる場合があります。

私たちの身体を支える背骨には、多くの靭帯が付着しており、互いに連動することでスムーズな身体の動きを作っています。

しかし、加齢によってそれらの組織が劣化してしまった場合に、本来持っている支持性や運動する際の協調性が弱くなってしまい、背中の痛みや張りなどの症状を引き起こすケースがあると言われています。

ただし、加齢によって全員が同じような症状を感じる訳ではないため、あくまでも個人の身体に起きている問題に目を向けて対策を行なうことが大切です。

作業や不良姿勢による負荷

背中に負担のかかる作業や姿勢の問題が影響して、背中の痛みや張りを引き起こすケースがあります。

例えば、長時間のデスクワーク、繰り返し重い荷物を運び上げる、背中が丸まっている姿勢によって背面の筋肉に対して伸長ストレスが加わっている、などの要素が挙げられます。

このように、背中の痛みや張りの原因には、日常的な作業や姿勢の問題も関連していきます。

内臓疾患などに由来するもの

肝臓と胆嚢の関連痛の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

内臓疾患などによって背中の痛みが起こるケースがあります。

「心臓疾患を持つ人は左肩や背中に痛みが出る」といったお話を聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

心臓に限らず、私たちの身体には「関連痛(かんれんつう)」と言って、内臓疾患に伴って臓器とは離れた箇所に痛みを引き起こすケースがあります。

上の図は、肝臓や胆のうの関連痛のエリアを示した図です。

胆のうに起きている何らかの問題が、背中の一部のエリアに痛みを引き起こす可能性があるということです。

他の臓器にもそれぞれ関連痛が起きるエリアは区分けされていて、肺・肝臓・胃・腎臓などの様々な臓器が背中の痛みや張りを引き起こす可能性があります。

また、内臓疾患として診断を受けなくても、臓器の機能が少し弱っているだけでもこのような関連痛は起こってきます。

精神的なストレスの影響

精神的なストレスによって、背中の痛みや張りが起こるケースがあります。

精神的なストレスが多いと、そもそも十分な休息を取れなかったり、先述の内臓や筋肉に対しても余計な緊張や負担がかかってしまいます。

また、ストレス状態の身体では、自律神経のバランスが交感神経優位になり、痛みなどの感覚に対して過敏に反応しやすい状態となってしまいます。

身体の組織自体にかかる負担や、ご自身で感じる感覚への問題などの観点から、精神的なストレスによって背中の痛みや張りを引き起こす原因になると言われています。

一般的な対処法

背中の痛みや張りに対する、一般的な対処法についてお伝えしていきます。

よくある対策の一例としては、

  • ストレッチをする
  • マッサージをする
  • 筋トレをする
  • 温める(お風呂など)

などが挙げられます。

主には、痛みを感じている背中の筋肉やその周辺組織に対するアプローチとして行われます。

また、これらの対策に共通するのは、「筋肉に対してのアプローチ」であるということ。

臨床的には、背中の痛みや張りの原因には、関節や神経系のトラブルなど様々なものがあります。

そのため、筋肉以外の問題によって症状が起きているのであれば、そちらに対してアプローチをしていく必要があります。

上記の一般的な対処法を試しても症状が改善されない場合、整体院などで筋肉以外の問題を見つけて対処していく必要もあると考えます。

背中を揉んでも改善されない理由

背中施術をしている様子

背中の痛みは揉んでも治らないことがほとんどです。

なぜなら、背中の筋肉自体の問題によって痛みが起きているケースが非常に少ないからです。

逆に、背中以外に問題があったり、背中の筋肉ではなく関節や膜組織に問題があるケースが数多く存在します。

その問題を無視して背中の筋肉をほぐしたりしても、痛みや張りは一向に取れません。

むしろ、無理な力で押さえることで局所の組織を傷つけたり、筋肉が硬くなってしまったりします。

また、猫背などの姿勢不良も併発している場合、背中の筋肉は引き伸ばされて伸長ストレスが加わっている状態です。

猫背のイメージ図

そのため、むやみに揉んでしまうと伸長ストレスがさらに大きくなってしまい、背中の痛みや張りが強くなってしまうケースがあります。

これについては、肩や首についても同じことが言えます。

スマホを触っている時などには、肩・首の筋肉にはストレッチがかかり伸長ストレスが加わっています。

肩の筋肉が引き伸ばされているイメージ図

筋肉が伸びながら縮められている状態なので、マッサージなどで揉んでしまうと逆効果になるケースがあります。

今ご紹介したことなどが、揉んでも改善しない大きな理由のひとつです。

首から背中にかけての症状では、どうしても揉んで欲しくなるかもしれませんが、症状を引き起こしている原因が別にあるケースが多いため注意が必要です。

実は、背中が硬いのは当たり前?

肩の検査を行なっている風景

背中には抗重力筋という筋肉の集まりが存在します。

これらの筋肉は、私たちが立ったり座ったりしている際に、姿勢を維持しようとするため不随意(自然)に力が入るという性質があります。

背中の不随意筋のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

そのため、立位や座位で背中が硬くなるのは、実は当たり前のことなのです。

たしかに、座ったり立ったりしている時に、「今自分は背中を支えている」と意識して筋肉に力を入れている人はほぼいないですよね。

その時の姿勢に合わせて、自然と筋肉が緊張し硬さを調節しているのです。

その緊張を調節しているのが、固有受容器と呼ばれる バランスを保とうと調節する器官 です。

それとは反対に、寝ている姿勢のように重力から解放されている姿勢では、背中の筋肉は通常ゆるんで柔らかい状態になります。

にも関わらず、寝ている姿勢で背中の筋肉が緊張している場合は、筋肉自体にも原因がある可能性が高いです。

まとめると、背中の筋肉の状態はなるべく不要な重力が加わらない状態でチェックをする必要があり、立位や座位での筋肉の硬さについてはあくまでも参考値として見ていく必要があるということです。

臨床でよくある背部痛の原因箇所

私が臨床でよく見かける背中の痛みや張りの原因となる箇所についてご紹介していきます。

背中の痛みを持つ方に共通する問題点としては、

  • 肝臓の問題
  • 胸膜・腹膜の問題
  • 股関節周辺の問題
  • 中枢神経の問題

などが挙げられます。

ひとつずつ解説していきましょう。

肝臓の問題

肝臓の解剖図イラスト
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

背中の痛み・張りの症状をお持ちの方は、肝臓に何らかの問題を抱えているケースが多いです。

肝臓はアルコールの分解や解毒、疲労回復や消化酵素を生成するなどの働きがあります。

しかし、身体に起きる様々な問題がきっかけとなり、肝臓やその周辺組織は硬くなったり、動きが悪くなったりします。

それによって、肝臓と神経でつながる体表面のエリアで痛みを引き起こすことがあるのです。

肝臓と胆嚢の関連痛の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

「背中の痛みや張りの原因」の章でも用いた図ですが、ちょうど画像で示されている箇所に対して、肝臓をはじめとする様々な内臓由来の痛みや感覚の異常が起こってきます。

こちらの画像では右側だけに示されていますが、実際は左側に出ることもあると言われており、あくまでも目安として捉える必要があります。

私の臨床経験では、肝臓に限らずその他の内臓関連の不調によって、背中の痛みや張りが起きてしまっているケースは見かける頻度が高いです。

胸膜・腹膜の問題

胸膜・腹膜の問題も背中の痛みや張りの症状に影響します。

私たちの全身は、結合組織といって各器官の間を埋めるようにして膜の組織で覆われています。

胸部には胸膜、腹部には腹膜がそれぞれ分布していますが、そのあたりの緊張によって背中の緊張が起きていることも臨床上よくあるケースです。

結合組織の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

↑膜組織のイメージ。青い管の周りを覆っている肌色部分が膜(結合組織)。

この膜組織は、長時間の同じ姿勢・無理なストレス・水分不足などの様々な要因で硬くなります。

そんな膜の一部である胸膜・腹膜の緊張が起こることによって、姿勢などに影響を及ぼし背中の痛みを引き起こしているケースがあります。

膜組織のどの範囲では問題が起きているのかは人によって本当にバラバラで、範囲が広く浅いようなタイプの人もいれば狭く深いような方まで様々です。

そのような問題を見極めて、適切にアプローチしていくことが背中の痛みや張りの改善には重要です。

股関節周辺の問題

股関節を示した骨模型
【股関節を示した骨模型】

背中の痛みなどの症状と股関節は密接に関連します。

なぜなら、股関節を柔軟に使えないような状態である場合は、生体力学的にみて背中周りの負担が増えてくるからです。

本来は股関節と協力して上半身を使うべき場面でも、うまく連動せずに背中ばかりにオーバーワークさせてしまうような状態になれば、それが背中の痛み・張りの原因となるケースがあります。

また、立ち仕事の方も座り仕事の方も、この股関節の周りに問題を抱えていることが多いです。

わずかな動きの悪さや歪み、周辺組織の硬さなどが影響して症状の引き金となってしまいます。

中枢神経の問題

中枢神経の問題によって背中の痛みや張りが生じていることがしばしばあります。

中枢神経とは、脳や脊髄などの中枢に存在する神経のことを指し、私たちが身体を正常にコントロールするためには必要不可欠なものです。

そんな中枢神経の通り道に、歪みなどの何らかの問題があったとします。

すると、背中の筋肉も中枢神経からの命令を受けて働くので、神経の通り道で問題が起きてしまうとその命令がうまく処理できなかったりします。

すると、本来は緊張しなくて良い場面でもずっと力が入りっぱなしの状態になってしまったり、中枢神経からの影響で背中の痛みなどの症状を引き起こすことがあります。

臨床的にも、このパターンによって背中の痛みや不調を訴えるケースは結構多い印象です。

当院での背中の痛みの整体

当院での背中の痛みに対する整体についてご紹介していきます。

・構造の歪みのチェック

背骨の検査をしている様子

構造面の問題を検査していきます。

背中の痛みや張りに関わる箇所の歪みをチェックすることで、施術の際に必要な情報を集めることができます。

・神経学的検査

脳神経の検査をしている様子

神経学的検査を行い、身体の神経伝達や平衡感覚などの問題をチェックしていきます。

「臨床でよくある背部痛の原因箇所」でもご紹介した通り、脳などの中枢神経のトラブルも背中の痛みに影響するため、細かく状態把握をしていく必要があります。

・構造面へのアプローチ

検査で得られた情報をもとに、整体施術によるアプローチを行います。

症状の出ている背中だけでなく、全身のバランスを整えていきます。

・体液循環の調整

足の整体施術をしている様子

血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする体液循環を整えていきます。

背中の筋肉や周辺組織も体液循環の影響を受けるため、十分に滞りを解消しておく必要があります。

・自律神経の調整

自律神経の調整をしている様子

自律神経に対するアプローチを行っていきます。

自律神経は、背中の痛みの原因となる中枢神経とも関連するため、正常なバランスになるように調整していきます。

また、身体の治癒や回復力にも関連するため、症状改善には必要不可欠なものとなります。

症状ではなく、あなたを診る

私の臨床経験などをもとに様々なものをご紹介してきました。

しかし、何と言っても症状の原因はあなたの身体の中に存在します。

いくら「背中の痛みに効くツボ」を押さえても、そこが原因でなければいつまで経っても改善されません。

大切なのは、

あなたが抱える症状ではなく、 症状を抱えるあなたを診る ことです。

当院では、そのような考え方を主眼におき、日々施術に当たっております。

まとめ

背中の痛み・張りについてまとめていきます。

  • 背中の痛みは主に生活習慣が関連する
  • 背中を揉んでも改善されないケースが多い
  • 寝ている姿勢で背中の硬さをチェックする
  • 背中以外の問題によって起こることがほとんど


背中の痛みや張りの症状でお悩みの方はたくさんいらっしゃるかと思います。

こちらの記事でもお伝えしているように、一口に背中の痛みと言っても背中以外の問題によって起きていることが多く、またその原因には本当に個人差があります。

当院では、そんな背中の痛み症状の原因がどこにあるのか、様々な検査や施術を用いて探していきます。

根本的に身体を良くしたい方は、一度ご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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