院長ブログ

メニエール病の整体|原因と対処法について自律神経専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、メニエール病をはじめとする自律神経症状の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、自律神経症状専門の整体師である私の経験をもとに、メニエール病の原因や当院での整体による対処法についてお話ししていきたいと思います。

メニエール病の症状について

頭蓋骨の骨格模型

メニエール病の症状についてご紹介していきます。

主な症状には、

  • 回転性のめまい(グルグル回る)
  • 浮動性のめまい(フワフワ、グラグラ)
  • 耳鳴り
  • 耳閉感
  • 難聴
  • 吐き気


などが存在します。

メニエール病では、上記の各症状が同時に起こることが大きな特徴のひとつです。

発症の初期では、低音性の難聴や耳鳴り・耳閉感などを感じることが多く、発症したりおさまったりをくり返す傾向があります。

そのような症状をくり返しているうちに、次第にめまいの発作も感じるようになります。

その後の活動期では、めまいをくり返すなど、重い症状が2〜3ヶ月ほど続く時期がきます。

ひどい方の場合は、さらに数ヶ月以上続くケースもありますが、その後の間歇期では季節の変わり目などに発作が起こるパターンが多いです。

慢性期になると耳鳴りや難聴を伴うことが多く、めまい発作は起こらなくても、以前の発作がトラウマになったり外出するのが苦痛になるようなケースもあります。

メニエール病の原因

外耳、中耳、内耳の解剖図イラスト
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

メニエール病の原因についてご紹介していきます。

メニエール病の主な原因として、一般的には 内耳のむくみ がよく取り上げられています。

上の図を参考に、私たちの耳は外側から順に外耳→中耳→内耳と続きます。

そして、一番内側にある内耳の周りは、リンパ液で満たされています。

内耳には、聴覚や平衡感覚などを感じる役割がありますが、何らかの原因によって内部のリンパ液の量が増えすぎると、聴覚や平衡感覚の情報を正常に処理できなくなってしまいます。

そのような状態が影響することで感覚のバグが起きてしまい、冒頭にあるようなメニエール病の症状を引き起こすと考えられています。

ここでハッキリ分かるのは、リンパ液を含む体液系がメニエール病の治療ポイントになるということです。

病院での検査・診断について

病院でのメニエール病の検査や診断についてご紹介していきます。

今回のようなめまいなどの症状でお悩みの方は、まずは耳鼻咽喉科(じびいんこうか)を受診してみてください。

めまいを専門に診てくれる機関もあるようなので、そのような専門院も選択肢のひとつだと思います。

病院ではまず問診がおこなわれますが、めまいの随伴症状として「耳鳴り・耳閉感・難聴」などを伴うかどうかが、診断のポイントになります。

検査においては、眼振(がんしん)という眼球の反射的な動きなどを調べて、めまいの状況と照らし合わせる検査をおこないます。

その他、各音域の聴力検査、内耳の状態を確認する検査などをおこないます。

また、めまいの症状はメニエール病だけが原因で起きるものではないため、他の疾患などと除外・鑑別するために別の検査をおこなうケースがあります。

病院での治療や対処法

病院における、メニエール病の治療や対処法についてご紹介します。

病院での治療や対処法には、

  • 安静にする
  • 抗めまい薬の処方
  • 吐き気を止める薬の処方
  • ステロイド薬(炎症止め)
  • 抗不安薬


以上のようなものがあります。

ご覧の通り、主に薬物療法が中心となります。

まずはそれらの対処で経過を観察し、それだけでは改善が見られない場合は、内耳に薬を注入したり、内耳のリンパ液を少なくさせるための手術をおこなったりします。

ただし、薬物療法では種々の副作用が起こることも、医師から事前に十分な説明を受けた上で選択する必要があります。

最悪の場合、前庭神経の切除も?

なかなか改善が見られない難治性の場合、前庭神経の切除手術に至るケースもあるようです。

前庭神経とは、身体の平衡感覚などをつかさどる神経のことです。

めまいの原因である前庭神経を切除し改善を目指すものですが、ここで疑問なのは

「本当にそんな大事な神経を切除しても大丈夫なのか?」

ということです。

もちろん、メニエール病で苦しんでいるからこそおこなう処置ではありますが、めまいの原因となる刺激を断ち切るということは、裏を返せば必要な感覚も感じられなくなるということではないでしょうか?

歯科治療と共通する部分ですが、安易に神経を抜くのではなく、できるだけ状態を保存しつつ改善に導くことができればベストだと考えます。

そのためにできる他の対処についても、ご自身で検討してみる価値はあると思います。

また、頭蓋骨を開いておこなう大がかりな手術であるため、リスクについても十分に知った上で取り組む必要があります。

整体でのメニエール病改善のポイント

自律神経の調整の整体

整体でメニエール病を改善に導く際のポイントについてご紹介します。

私が考えるものとしては、

  • リンパ液の問題
  • 平衡感覚、位置覚の問題
  • 脳神経のトラブル


などがあります。

ひとつずつ解説していきたいと思います。

リンパ液の問題

内耳の解剖図イラスト
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

リンパ液を含む体液循環の調整が、メニエール病の対策として役立ちます。

「メニエール病の原因」でもお伝えしましたが、メニエール病の原因の多くは 内耳のむくみ と言われています。

そのむくみを引き起こす要素として、リンパ液の問題が大きく関わってきます。

当院に通われるクライアントさんから聞いている限りでは、利尿剤によるリンパ水腫の軽減以外には、これらのリンパ液の問題にアプローチしている病院はかなり少ないようです。

利尿剤でリンパ水腫の軽減を試みるということは、排液機能を高めることがメニエール病の治療の一環になるとも言えます。

例えば、整体によって腎臓の調整や全身のリンパ液、ならびに体液全般の調整をおこなうことで排液を促すことが可能です。

平衡感覚、位置覚の問題

神経学的検査をしている様子

身体の平衡感覚や位置覚の問題も、整体でメニエール病を改善するためのポイントとなります。

先ほど、内耳のむくみがメニエール病の原因とお伝えしましたが、内耳のむくみの有無に関わらずもともと平衡感覚に問題を抱えているケースは臨床的にも結構多いです。

例えば、片足立ちした時にフラつきやすかったり、思いのほか足が上がっていなくてつまづいたり、日常の中での小さなエラーも平衡感覚や位置覚のトラブルによるものだったりします。

ですから、そもそも起きている平衡感覚のトラブルを調整することで、めまいをはじめとした各症状の軽減は十分可能であると考えます。

脳神経のトラブル

頭蓋骨の骨格模型

脳神経のトラブルにアプローチすることも、メニエール病改善のポイントのひとつです。

めまい、吐き気、難聴など、メニエール病に関わる感覚の中枢は、私たちの脳に存在しています。

脳神経がうまく機能するためには、神経伝達がスムーズにおこなわれるような環境が必要となります。

その環境を作る条件として、

  • 身体に歪みがない
  • 制限を起こす硬さがない
  • 体液循環が良好である


これらのものが重要となります。

しかし、この条件が100%整っている人は、ほとんどいないのが実際です。

整体施術を通して、脳神経のトラブルが起こりづらい環境を作っていくことで、メニエール病の症状を変化させていくことは可能だと考えます。

当院のメニエール病の整体

当院でのメニエール病の整体の流れについてご紹介していきます。

・全身の歪みのチェック

肩関節の検査をしている様子

まずは全身の歪みについて、各種検査をおこなっていきます。

メニエール病に関わる箇所をはじめ、全身細かくチェックしていきます。

・平衡感覚、位置覚のチェック

脳神経の検査をしている様子

神経学的な検査を用いて、平衡感覚・位置覚などにエラーが出ていないかを確かめます。

こちらの写真では、目をつぶった状態で自分の片方の親指に対して、もう片方の指を正確に当てることができるかをチェックしています。

きちんと先端を捉えられないケースや、大きく外してしまうケースなど、人によって反応の出方が様々あります。

・構造面の歪みを矯正

骨盤矯正をしている様子

整体施術で全身の歪みを矯正していきます。

矯正と聞くと、背骨や骨盤をイメージされる方も多いかもしれませんが、当院では骨や関節以外の全身の組織(靭帯、内臓、膜組織etc…)に対してもアプローチが可能です。

身体の各器官の働きを最大限発揮できる状態にしていき、治りやすい身体の土台作りをおこなっていきます。

・リンパ循環の調整

足の整体施術をしている様子

整体を用いて、リンパ液の循環を促進していきます。

リンパの流し方にはルールがあります。

リンパ組織は伸展(ストレッチをかける)と圧迫に対して反応すると言われており、繊細なタッチでおこなうことでアプローチできます。

・神経系の調整

頭部の整体施術をしている様子

神経系の調整をおこなっていきます。

こちらの記事でもお伝えしていますが、聴力・平衡感覚・吐き気はいずれも神経を通して届けられるため、神経のトラブルに対しても調整が必要となります。

この調整のポイントは、いかにリラックス状態になれるかということ。

当院では、施術を受けていただく空間や刺激の入れ方など、あらゆる要素に配慮してあなたの神経系が整いやすい環境をご用意しております。

答えは身体の中にあります

お身体の状態説明をしている様子

メニエール病は、症状の程度によっては生活に大きな支障を出すかなり辛いものです。

これまで担当したメニエール病の患者さんのお話を聞いていても、症状の辛さがヒシヒシと伝わってきます。

たしかに、薬を使って対処するのもひとつの方法かもしれません。

しかし、今あなたが起きている症状の原因は、間違いなくあなたの身体の中にあるわけで、そこをひとつずつ改善していくことでしか根本的には良くなりません。

薬で症状をおさえられたとしても、身体の問題自体をなくすことは残念ながらできません。

当院では、そんなあなたの身体に起きている問題を見つけ出すために、日々のトレーニングと仮説→検証を繰り返しています。

メニエール病でお悩みのあなたが、1日でも早く気兼ねなく過ごせるようにお祈りしています。

まとめ

メニエール病の整体についてまとめていきます。

  • メニエール病の原因には内耳のむくみが関連
  • 一般的な治療法は薬を使うケースが多い
  • 場合によっては前庭神経の切除をすることもある
  • 当院ではリンパ・平衡感覚・脳神経などに注目
  • 薬だけでは根本原因を取り除くことは困難


病院でできる対処と整体でできる対処には、それぞれメリットとデメリットがあります。

整体では、程度によっては時間を要するケースがありますが、それ以外はメリットの方が多い治療法だと感じています。

「病院や薬だけではなかなか良くならない」

そう思われている方は、一度ご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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