こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。
私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、機能性ディスペプシアをはじめとする内臓整体の施術現場に携わってきました。
今回の記事では、自律神経症状専門の整体師である私の経験をもとに、機能性ディスペプシアの原因や当院での整体による改善などについてお話ししていきたいと思います。
機能性ディスペプシアの症状
機能性ディスペプシア(胃腸障害)の症状についてご紹介していきます。
臨床上よくあるものとして、
- 胃のあたりがムカムカする
- 吐き気を催すことがよくある
- お腹がよく張る、膨満感がある
- 実際に吐いてしまうことがある
- 食後に胃の不快感が出ることが多い
- すぐにお腹がいっぱいになってしまう
- ゲップが頻繁に出てくる
- みぞおちのあたりが痛むことがある
- よく胸焼けする、気分が悪くなる
などが挙げられます。
胃腸障害(FD : 機能性ディスペプシア)は、比較的多くの方が訴える症状のひとつです。
どれも胃腸に由来するものですが、上記のように多種多様な症状が出てくることが特徴です。
胃腸にまつわる症状は、体調面にもダイレクトに影響するため、生活に支障をきたすケースも少なくありません。
また、そのような体調不良や大事な場面での失敗などにより、精神的にも辛い状態に追い込まれることもあります。
機能性ディスペプシアが起こる原因は人によって異なるため、その人に合わせた対処をおこなうことが大切です。
機能性ディスペプシアとは?
機能性ディスペプシア(胃腸障害)についてご説明します。
機能性ディスペプシアとは、
身体に何か 器質的な問題や基礎疾患がない のにも関わらず、慢性的に 胸やお腹周りに痛みや不快感を現す もののことです。
「機能性ディスペプシア」と聞くと、その名称から何か大層なもののように感じるかもしれません。
しかし、一般的には多くの方が抱えているもので、消化器の領域でも出現頻度の高いものです。
ある調べによると、健康診断を受けた1〜2割の方が機能性ディスペプシアに該当するほか、実際に病院を受診した方の約5割が機能性ディスペプシアと診断されているようです。
多くの方が悩んでいるということは、発生機序や原因も人によって様々であるということ。
実際に、「機能性ディスペプシアの病態は複雑で、どれかひとつだけの原因で起こるわけではない」と明言している専門医もいます。
機能性ディスペプシアの原因
機能性ディスペプシアの原因についてご紹介していきます。
主な原因としては、
- アルコールや喫煙
- 胃腸の蠕動運動の弱り
- 胃腸の知覚過敏
- 心理的ストレス
- 胃酸の分泌異常
- 遺伝的要因
などがあります。
生活習慣の影響によるものから胃腸の機能低下まで、機能性ディスペプシアの原因には様々なものがあります。
ただし、ここで重要なのは、「その胃腸の機能低下はどこからきているのか?」ということです。
胃腸がうまく機能するための環境が整っていないと、いくら胃薬などを使用してもまたすぐに振り出しに戻ってしまいます。
そんな胃腸がうまく機能するためには、あなたの身体の内部環境を整えていく必要があります。
病院での診断・治療
病院における、機能性ディスペプシアの診断と治療についてご紹介していきます。
診断に際しては、問診にてその人の生活習慣や社会的背景を確認し、上部内視鏡検査・CT・超音波検査などをおこなった上で診断していきます。
治療では、まずは機能性ディスペプシアの要因となる生活習慣の改善の指導をおこないます。
そして、次の段階として薬物療法が選択されます。
胃酸を抑える薬や胃粘膜の保護剤など用いて治療をおこない、消化器の働きを強める薬を用いて改善を図ります。
精神的な要因が強いタイプの方には、抗うつ剤や抗不安薬などを投与するケースもあります。
東洋医学でみる機能性ディスペプシア
東洋医学的にみた機能性ディスペプシアについて解説していきます。
そもそも東洋医学とは、私たちが持つ体質的な要素を統計的にまとめたもので、いわゆる漢方や鍼灸などで用いられる 施術や処方の判断基準となる学問 のことです。
症状と身体のつながりを示した地図のようなもの、とイメージしてもらえると分かりやすいかもしれませんね。
そんな東洋医学で機能性ディスペプシアと深い関連がある臓器は、「脾と胃」です。
要約すると、脾と胃は親子関係にあり、脾が元気に活動することで胃の働きをサポートすることができます。
それが何らかの要因によって脾の働きが弱ってしまうと、胃の動きも悪くなってしまい胃腸症状を引き起こすと考えます。
ちなみに、
- 肌がやや黄色っぽい
- 甘いものの食べ過ぎ
- 暴飲暴食
- 手足をよく使う
- デスクワークが多い
- 優柔不断
などに当てはまる方は、脾・胃の弱いタイプである可能性が高いです。
その場合は、脾の力を強めてくれるツボを使ったケアも有効です。
太白(たいはく)のツボは、脾の活動を統括するリーダー的な役割を持っています。
気持ち良い程度の圧力で、数十秒押さえてあげるだけでOKです。
なお、これらのケアをしばらく続けてみても症状に変化が出ない場合、身体に起きている他の問題を疑う必要があります。
胃腸と神経のつながり【図解】
胃腸と神経の解剖学的なつながりについて解説していきます。
胃腸をはじめとする内臓は、神経からの栄養や信号を受け取ることによって機能しています。
こちらの図は、脊髄神経と内臓のつながりを示した図です。
この図によると、ちょうど胸椎の5〜9番(T5〜T9)から出ている神経(大内蔵神経)が胃腸を栄養していることが分かります。
ということは、胸椎の5〜9番のあたりに歪みや硬さなどの問題が起こると、胃腸の機能面にも問題を引き起こす可能性があるということを教えてくれているのです。
それだけが胃腸障害の原因であるとは言い切れませんが、このような胃腸と神経のつながりを応用することで、機能性ディスペプシアの改善にも大きく役立ちます。
改善のポイントは自律神経
自律神経の調整が、機能性ディスペプシア改善の大きなポイントとなります。
なぜなら、 胃腸と自律神経は密接な関わりを持つ からです。
「強いストレスによって胃に穴が空いた」といった話を耳にしたことがあると思います。
あれは、胃腸と自律神経の関係性をあらわす典型的な例です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がありますが、それぞれがうまくバランスが取れていることで、胃腸は円滑に機能してくれます。
しかし、自律神経の乱れなどによってそのバランスが崩れると、胃酸や胃粘液の分泌量にも偏りが生じてきます。
その結果、内臓の不調を引き起こすケースが非常に多くなっているのです。
「胃腸と神経のつながり【図解】」でもお伝えしたように、脊髄から出ている神経によって胃腸は栄養されているため、自律神経をはじめとする神経系へのアプローチが機能性ディスペプシア改善のポイントとなります。
臨床でよく出会う胃腸障害の原因部位
私の臨床経験上、よく出会う胃腸障害(機能性ディスペプシア)の原因について解説していきます。
胸椎の問題
機能性ディスペプシアをはじめとする胃腸症状をお持ちの方は、胸椎が硬くなっていることが多いです。
その理由としては、背骨と内蔵を結ぶ神経のつながりが挙げられます。
私たちの内臓は、背骨を通る神経に栄養されることによって、正常に働くことができます。
特に胃腸は、胸椎の5番目から9番目から出てくる大内臓神経によって栄養されるため、この付近に歪みや硬さが起きてくると胃腸のトラブルが起こることがあります。
背骨の関節である椎間関節などの検査を行い、問題があれば整体による矯正をおこなっていきます。
頭蓋骨の歪み
機能性ディスペプシアの症状でお悩みの方は、頭蓋骨の問題を抱えているケースが多いと感じます。
その中でも特に、蝶形骨(ちょうけいこつ)と後頭骨の問題がポイントとなります。
↑頭蓋骨を真下から見ているイメージです。
他には、大脳と小脳を隔てる小脳テントという組織など、あたまにある様々な組織が関連して機能性ディスペプシアの症状を起こす可能性があります。
↑あたまを横から覗いたイメージ。
それぞれの組織に問題が起こっている際は、痛みのないやさしい施術で調整していきます。
仙骨の問題
機能性ディスペプシアの症状を抱えている場合、仙骨に問題が起きているケースが多いです。
なぜなら、仙骨は自律神経(副交感神経)に関連するため、機能性ディスペプシアをはじめとする胃腸症状を引き起こしやすいからです。
仙骨の問題によって自律神経の切り替えがうまくいかなくなると、胃腸をはじめとする身体の様々な箇所に不調をきたすこととなります。
そのため、機能性ディスペプシアなどの内臓系の症状では、自律神経に関わる部位の問題を取り除いていくことが改善のポイントです。
当院の機能性ディスペプシアの整体
当院の胃腸障害(機能性ディスペプシア)の整体についてご紹介していきます。
・身体の歪みの検査
全身の構造的な歪みについて検査をおこなっていきます。
こちらの記事でもお伝えしているように、胃腸は背骨から出てくる神経によって栄養されるため、機能性ディスペプシアに関連する歪みが出ていないかチェックをおこなっていきます。
・神経系の検査
神経学的検査を用いて、身体の関節の位置覚や神経伝達の状態を確認していきます。
内臓を栄養する神経にも関わる部分なので、細かくチェックしていく必要があります。
・全身の歪みに対する整体
検査で見えてきた問題点に対して、整体施術によるアプローチをおこないます。
特に、機能性ディスペプシアと関連の深い、背骨やあたま・骨盤は細かく調整していきます。
・体液循環の調整
血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする、体液の循環を調整していきます。
・内臓へのアプローチ
胃腸をはじめとする内臓系にアプローチしていきます。
強く押さえると筋性防御が働いてしまうため、非常にやさしい刺激で安全におこないます。
・自律神経の調整
自律神経に対するアプローチをおこなっていきます。
胃腸は自律神経の状態に影響されやすい性質があるため、機能性ディスペプシアを改善に導くために重要な部位です。
「体質の問題」と諦めないで
機能性ディスペプシアをはじめとする胃腸症状でお悩みの方の中には、「自分はもともと胃腸が強くない」とおっしゃる方が結構多いように感じます。
しかし、本当に体質の問題だけで、このような辛い症状を我慢し続けなくてはいけないのでしょうか?
私も鍼灸師なので、東洋医学的な知見も持ち合わせているつもりですが、必ずしもそうではないと考えます。
体質の弱さは、ある条件下では不利に働くこともありますが、逆に整体施術や養生法などによってカバーすることも十分可能です。
原因はどこにあるのか?
症状と関連があるのか?
そのあたりを見極めて治療をおこなうことで、体質的な弱さを持っている方でも、機能性ディスペプシアを改善に導くことはできます。
まとめ
機能性ディスペプシアについてまとめていきます。
- 病院受診した約半数が機能性ディスペプシアと診断される
- 胃の弱りからくるが、その弱りの原因を探すことが大切
- 必ずしも胃そのものの問題によって起きるわけではない
- 胸椎、頭蓋骨、仙骨に問題が出るケースが多い(当院調べ)
- 体質の問題は、治療によって補うことができる
機能性ディスペプシアをはじめとする、胃腸障害で悩まれている方は数多くいらっしゃいます。
胃腸障害による不調が続くと、精神的にも辛い状態に陥るケースも少なくありません。
しかし、こちらの記事でお伝えしているように、機能性ディスペプシアには必ず原因があります。
そして、その原因は人の数だけ存在します。
当院では、あなたが抱えている身体の問題に対して、様々な検査や施術を用いてアプローチしていきます。
ご自身の自然治癒力を最大限発揮して、機能性ディスペプシアを改善していきたい方は一度ご相談ください。
*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉
【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】
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