院長ブログ

胸郭出口症候群の整体|原因や改善法を大阪の慢性症状専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、胸郭出口症候群をはじめとする慢性的な痛みの施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、胸郭出口症候群の原因や当院での整体による改善方法についてお話ししていきたいと思います。

胸郭出口症候群の症状一覧

胸郭出口症候群の症状についてご紹介していきます。

よく訴えられる症状としては、

  • 手のしびれを感じることがある
  • 肩や首が慢性的にこっていて辛い
  • 手の感覚に違和感を感じることがある
  • 握力が弱くなっている気がする
  • 頭痛が出たり、ひどいと吐き気も感じる
  • 腕を上げるのが辛い、痛んだりしびれる
  • 肩や腕の脱力感が出たり、違和感が出る時がある

などが挙げられます。

胸郭出口症候群では、主に肩・首から手にかけての痛みやしびれ、感覚の異常が起こってきます。

一般的な肩こりとは違い、胸郭出口に関連する整形外科的検査を行うことで陽性反応が出ます。

また、胸郭出口症候群と診断されたとしても、局所(胸郭出口)だけを調整すれば治るというものではありません。

なぜなら、胸郭出口周辺の問題は、局所以外の箇所の歪みや緊張によって引き起こされることも多々あるからです。

あくまでも全体をチェックした上で、痛みやしびれの原因を見つけていく必要があります。

胸郭出口症候群とは?

胸郭出口の解剖図
【プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖第3版より引用、編集】

胸郭出口症候群について解説していきます。

胸郭出口症候群とは、胸郭出口(鎖骨付近)で神経や血管などが圧迫を受け、主に首から手のあたりに関連する症状を引き起こすものを指しています。

また、圧迫・絞扼を受けていると推定される箇所によって呼び名が変わることも特徴のひとつです。

例えば、

  • 斜角筋(しゃかくきん)症候群
  • 肋鎖(ろくさ)症候群
  • 過外転(かがいてん)症候群

などと呼び名が分かれますが、それらを総称して胸郭出口症候群と言われています。

一口に胸郭出口症候群と言っても、頸椎椎間板ヘルニアや肘部管症候群など、その他にも同様の症状を呈するものも多数あるため、各種検査を行い除外・鑑別する必要があります。

胸郭出口症候群の種類

胸郭出口症候群の種類について解説していきます。

今回は、

  • 斜角筋(しゃかくきん)症候群
  • 肋鎖(ろくさ)症候群
  • 過外転(かがいてん)症候群

こちらの3種類をそれぞれ解説していきます。

斜角筋症候群

斜角筋(しゃかくきん)症候群は、首につく斜角筋のエリアでの神経の圧迫が原因となります。

その圧迫は、首の側面から前方に付着する前斜角筋と中斜角筋が作る隙間(斜角筋隙)で起こります。

斜角筋隙のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

圧迫を受ける原因としては、腕の上げ下げや首を酷使するなどして斜角筋が緊張・肥大することが一因となります。

姿勢的には、いかり肩のタイプの人に多いと言われており、普段の姿勢や身体の使い方なども影響してきます。

黄色で示されている腕神経叢という神経の束や、赤色の管状の鎖骨下動脈などが通るため、それらが走行するエリアでの問題や症状を起こす可能性があります。

症状としては、首から手にかけての痛みやしびれ、その他は知覚の違和感などの症状が起こってきます。

肋鎖症候群

肋鎖(ろくさ)症候群は、肋骨と鎖骨の周辺組織の問題によって起こります。

肋鎖間隙のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

先ほどご紹介した斜角筋症候群と同様に、様々な神経や血管が通るため、圧迫されたり疎通が悪くなることで症状の引き金となります。

一般的にはなで肩の人に起こりやすいと言われており、臨床的には鎖骨の動きが悪かったり硬い人は注意が必要であると感じています。

神経や血管の走行を見ていただくと分かる通り、腕の方にまで伸びているので肩や首だけでなく腕や手にかけての痛みやしびれが起こることもあります。

過外転症候群

過外転(かがいてん)症候群は別名:小胸筋症候群とも呼ばれています。

その名の通り、小胸筋という筋肉が付着する周辺での問題が関連します。

過外転症候群の神経圧迫部位の図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

なで肩の人や、胸周りの筋トレをおこなう人に起こりやすいと言われています。

症状としては、つり革に掴まっていると手がしびれてきたり、腕を上に持ち上げるような作業で症状が出てきます。

また、手の冷える感覚を訴える方もいたり、循環機能の問題も関連してくると考えます。

胸郭出口症候群になりやすい人

胸郭出口症候群になりやすい人の特徴についてご説明していきます。

一例としては、

  • 重いものを頻繁に持つ
  • 姿勢がなで肩である
  • ハードな筋トレをしている
  • 手を上にあげる動作が多い
  • 先天的な骨の変形がある


これらの条件に当てはまる方に多いようです。

どれも最終的には胸郭出口のあたりで、神経や血管の圧迫・絞扼につながる要素であるという共通点があります。

病院での診断・治療

病院における胸郭出口症候群の検査や治療についてお伝えしていきます。

病院では、まず問診・触診などで、痛みやしびれ・だるさの箇所を確認します。

整形外科的検査法であるアドソンテスト・ライトテスト・エデンテスト・ルーステストなどを用いてチェックを行います。

その他、骨の歪みや奇形がないかエックス線検査を行ったり、状態によってCT、MRI、超音波検査などが選択されます。

また、頸椎椎間板ヘルニアや脊髄腫瘍でも同じような症状が出てくるため、他疾患と胸郭出口症候群との鑑別も行われます。

治療法としては、主にリハビリによる運動療法をはじめとする保存療法が用いられ、改善が見られない場合は手術を検討するケースもあります。

臨床でよく出会う原因箇所3選

私が臨床でよく出会う、胸郭出口症候群の原因箇所についてご紹介していきます。

こちらの記事内でも、胸郭出口付近の神経や血管の圧迫によって起こるとお伝えしましたが、実際には胸郭出口以外にも様々な原因が潜んでいます。

原因箇所となりやすい部位について、それぞれ解説していきます。

胸郭の問題

胸郭のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

胸郭出口に近いエリアではありますが、胸郭全体の歪みや硬さなどの問題も胸郭出口症候群の原因箇所となりやすいです。

胸郭は、前面のセンターに位置する胸骨と、そこから外へ広がるように伸びていく肋骨、背面は背骨と連結していきます。

これらをつなぐ関節は、肩関節などの様に大きく動く性質の関節ではありません。

しかし、わずかな関節の遊びがなくなるだけで、呼吸をはじめとする周辺環境に影響を及ぼしてしまいます。

胸郭の柔軟性を出したり、歪みの矯正をおこなうことで、胸郭出口症候群を改善に導くことも可能です。

肝臓、胆管の問題

肝臓や胆管をはじめとする、内臓の状態が原因となって胸郭出口症候群と同じような症状を引き起こすことがあります。

下の図をご覧ください。

肝臓、胆嚢の関連痛の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】


私たちの身体には「内臓体性反射」と言って、内臓の状態が神経を伝わって体表面に痛みや硬さなどを引き起こす反射機能があります。

それによって起きる痛みのことを関連痛と言い、胸郭出口症候群で起こるような首肩周りの痛みが、肝臓や胆管の問題によって起こることがあるのです。

ちなみに、肝臓はアルコールを分解する他にも、食べたものを消化するための消化酵素を作ったり、内臓で使われた血液をクリーニングするための作用などを持ち合わせています。

胆管は肝臓と胆嚢(たんのう)という臓器を経由する管のこと。

胆管についても、肝臓同様に疲労との関連が深く、疲労が溜まってくると肝臓(胆管)のあたりに負担がかかりやすくなります。

このように、胸郭出口以外の問題によって首・肩まわりの症状を引き起こすケースは数多くあります。

リンパ循環の問題

結合組織の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

リンパ循環の問題が、胸郭出口症候群の原因となるケースがあります。

なぜならリンパは、体液循環や老廃物の排泄において重要な役割を果たしており、痛みやしびれとの関連が深い組織であるからです。

そして、胸郭出口の付近にはリンパの集合体があり、リンパ循環が停滞することで筋肉や骨に問題がなくても症状の引き金となることがあります。

↓イメージ図

胸部のリンパ組織の解剖図
ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

胸郭出口の周辺にもリンパが多数存在しているのが分かりますね。

また、リンパは免疫機能にも関わってくるため、このあたりの問題を整えておくことで、痛みやしびれはもちろんのこと身体の回復力が高まる効果も期待できます。

ただし、リンパの調整は非常に繊細なタッチが必要となり、グリグリと押さえるように行う強いマッサージなどでは最大限の効果が得られません。


〈リンパの調整方法について〉
リンパは、”圧迫”と”伸ばす”という刺激に反応します。

皮膚からの圧と、わずかにストレッチを加えるような刺激です。

その際の注意点は、強く行わず 軽くさするぐらいの優しい刺激 で行うこと。

リンパは身体の深部にも存在しますが、大部分は身体の表層にあるため、皆さんが思うよりもかなり優しい圧でも反応するのです。

むしろ、強く押さえてしまうと効果は見込めません。

このへんに気をつけて行うことで、リンパの循環促進は効果的に行うことができます。

当院の胸郭出口症候群の整体

当院での胸郭出口症候群の整体の流れについてご紹介していきます。

・全身の歪みのチェック

首の可動域検査の様子

胸郭出口症候群に関連する身体の歪みを調べていきます。

整形外科的検査を用いて、胸郭出口症候群の有無もチェックしていきます。

・神経学的検査

筋力検査をしている風景

筋反射などを確認し、神経系のトラブルが出ていないか確認を行います。

特に腕周りは、胸郭出口症候群でのポイントの箇所となるので、細かくチェックを行います。

・構造面へのアプローチ

肩の整体の様子

検査で把握した問題箇所を中心に全身を整えていきます。

肩周りだけでなく、全身のバランスを整えることで胸郭出口症候群の症状を改善しやすくなります。

・体液循環の調整

足の整体をしている様子

血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする体液循環の調整を行います。

先述の「臨床でよく出会う原因箇所3選」でもお伝えしましたが、リンパ循環の問題も胸郭出口症候群に大きく関連するため、症状改善のためには重要な項目となります。

・自律神経へのアプローチ

頭の整体施術をしている様子

自律神経を調整することで、治癒力・回復力を高めていきます。

胸郭出口症候群は神経系のトラブルによるものでもあるため、これらの神経系へのアプローチが重要となります。

当院の整体で改善された方の声

当院の整体で腕や手の痛み、しびれが改善された方の声をご紹介していきます。

首のヘルニア、腕のしびれ、肩こり【50代女性 I様】

※個人の感想です。全ての方に効果を保証するものではありません。

腕の痛みの患者様の声

(以下文字起こし)

〈お悩みの症状〉腕の痛み

〈何回目の施術で変化を感じましたか?〉3回目

【ご感想】
エステティシャンをしています。

1回目の緊急事態宣言で仕事が休みになりその後再開してからニノウデに痛みを感じるようになりました。

なかなか良くならない時に紹介いただき通わせていただくようになりました。

痛みの部分だけを見るのではなく、体全体の歪みなど間接的な原因を見つけていただき施術をしていただいています。

おかげさまでかなり楽になってきましたまた以前よりも翌日に疲れが残らないようになってきました。

これからも体のメンテナンスとして必要だと思い通わせていただきますのでよろしくお願いします。

T.K様 女性 エステティシャン

※個人の感想です。全ての方に効果を保証するものではありません。

首のヘルニア、腕のしびれの改善の声

(以下、文字起こし)

〈お悩みの症状〉首のヘルニア、肩こり、腕のしびれ

〈何回目の施術で変化を感じましたか?〉3回目

【ご感想】
長年の肩こりと腕のしびれがありお世話になりました。

肩こりはいつもの事だと思っていましたが、徐々に腕にしびれまで感じる状態になりさすがにまずいと思い整形外科に行ったところ首のヘルニアと診断されました。

マッサージやけん引等を受けても良くならず、乾先生に診てもらってからは2〜3回で痛みやしびれはなくなりました。

筋肉を揉むような感じではないのに、自然と体の力が抜けていくような感じで肩こりも徐々に気にならなくなってきました。

身体のゆがみや正しい姿勢のあり方等を詳しく話して下さり治療をしてもらっています。

毎週スポーツバイクに乗っていますが、次の日の疲労感もほとんど残らない様になってきています。

以前は痛みがあれば病院で診てもらうと言う感じでしたが、乾先生に出会いきちんと治療してもらえてからは、首のヘルニアやしびれはほとんど出なくなりました。

本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも私の身体のメンテナンスよろしくお願い致します。

(Y.I様 54歳 女性 自営業)

※個人の感想です。全ての方に効果を保証するものではありません。

まとめ

胸郭出口症候群についてまとめていきます。

  • 胸郭出口周辺の問題が主に関連する
  • 斜角筋・肋鎖・過外転症候群の3種類が存在
  • 姿勢や力仕事などの生活習慣が症状の一因
  • 臨床的には内臓やリンパの問題も原因となる


胸郭出口症候群では、主に首から手にかけての痛み・しびれ・だるさなどを引き起こします。

手が不自由な状態になると、日常生活の様々な場面で困ってしまいます。

「病院や他の整体ではよくならなかった」

そんな思いをお持ちでしたら、一度ご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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