院長ブログ

股関節痛の整体|原因や改善について慢性症状専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、股関節痛をはじめとする整体の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、股関節痛の原因や当院での整体での改善についてお話ししていきたいと思います。

また、妊娠中の股関節痛についての記事もご用意しております。

妊婦さんはこちらも合わせてご覧ください。→◇妊娠中の股関節痛について

股関節痛の症状について

股関節の骨模型

股関節痛の症状についてご紹介していきます。

臨床でよく見られる症状としては、

  • 歩いていると股関節が痛くなってくる
  • よく股関節がコキコキと鳴る
  • ストレッチの際に股関節周りが硬い
  • 一度股関節が痛むとしばらく痛み続ける
  • 普段の歩き方のバランスが悪い気がする
  • 股関節がうまくハマっていない感じがする
  • 日常生活で股関節の曲げにくさを感じる


などのものが挙げられます。

整体の臨床現場でも、股関節の痛みはよく見かける症状のひとつです。

歩いたりしゃがんだり、日常動作で頻繁に使う部位なだけに、股関節痛が起こると生活で不自由するケースが多いです。

股関節痛が起こる原因や改善について知ることで、症状改善のための大きな一歩となることを願っています。

股関節痛の原因

股関節痛の原因についてお伝えしていきます。

整形外科をはじめとする病院での診断においては、元となる疾患が原因となって起こると考えます。

股関節痛を起こす疾患の一例としては、

  • 変形性股関節症(OA)
  • 大腿骨頭壊死
  • 関節リウマチ(RA)
  • 大腿骨頸部の骨折

などが挙げられます。

ただし、ここで注意が必要なのは、検査をしてもこれらの原因疾患が見当たらない場合、安静にするなどのいわゆる保存療法メインの治療になるということです。

西洋医学では、原因疾患や診断名が明らかになることで、それぞれに合わせた治療法が確立されています。

しかし、私の経験上では、股関節痛はそのような原因疾患が見当たらなくても発症することが非常に多いです。

そのため、病院の検査で特に問題が見当たらない場合は、実際に身体に触れて股関節痛の原因を探していく必要があります。

股関節の構造について【図解】

股関節を示した骨模型

股関節の構造についてイラスト付きで解説していきます。

股関節は、骨盤の一部にある凹み(臼蓋:きゅうがい)に対して、大腿骨(太ももの骨)がハマるような構造になっています。

下の模型は右側の骨盤と大腿骨ですが、オスとメスが噛み合うようにしてくっついています。

股関節の関節面を示した骨模型

↑関節面はこんな感じで、ちょうど水色の範囲どうしが股関節として接地しています。

股関節痛では、この関節自体に問題が起きているパターンもありますし、それ以外の箇所が関連して痛みを引き起こしている場合もあります。

股関節の周辺にはたくさんの組織が集まっているため、どの組織に問題が起きているのかを確認していく必要があります。

それってホントに股関節痛?

臨床で股関節の痛みを訴える方は数多く見かけますが、意外と股関節の位置が曖昧な場合が多いです。

例えば、「股関節が痛いんです」とご相談いただいていざ場所を確認してみると、実は臀筋や骨盤の関節のあたりを指して股関節とおっしゃる方が結構多かったりします。

おそらく「何となくこのあたりが痛む」と思って、ご自身の中で一番フィットする言葉が「股関節」なのでしょう。

しかし、もしそれが股関節以外であった場合は、病院で検査をして「異常なし」と言われてもおかしくはありません。

手首や足首、肘や膝などの関節についてはそのようなズレは少ないですが、どうもこの股関節については皆さんそれぞれの認識に違いがある傾向があります。

当院では、検査や施術の際になるべく相違が出ないよう、痛みを訴えるあなたと正確な情報を共有できるように努めております。

股関節痛はストレッチで良くなる?

足の整体施術をしている様子

股関節痛に対するストレッチの効果についてご説明していきます。

私の経験上、股関節痛をお持ちの方は、

「身体が硬いからストレッチしなきゃ治りませんよね?」

とおっしゃるケースが非常に多いです。


股関節が痛い→股関節が硬い→ストレッチした方が良い

このように思われている方がたくさんいらっしゃるようです。

もちろん、身体が硬くてこのような痛みが出ていることも考えられます。

しかし、股関節自体の歪みやそれ以外の問題があった場合は、整体などで矯正を行わないと痛みの原因が取れないことがほとんどです。

むしろ、伸ばすべきでない箇所にストレッチが加わることで、余計に痛みが強くなったり回復しづらくなるということもあります。

また、ストレッチにも効果的なやり方と逆効果になるやり方があるため、むやみに引き伸ばすようなことはおすすめできません。

臨床でよくある股関節痛の原因

臨床でよく見かける股関節痛の原因箇所について解説していきます。

主な原因については、

  • 構造面の問題
  • 神経系の問題
  • 体液循環の問題

などが挙げられます。

それぞれ解説していきます。

構造面の問題

股関節周辺の靭帯を示した解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

股関節やその周辺の構造面の問題が影響し、股関節痛を引き起こすことがあります。

股関節は球関節(きゅうかんせつ)という種類の関節であり、肘や膝などの他の関節と比べて可動範囲が非常に広い関節です。

その関節の動きがどこで制限されているのか、各種検査を通してチェックしていく必要があります。

また、股関節の周囲にはたくさんの筋肉や靭帯がついてくるので、そのあたりの緊張度合いや問題が無いのかなどもみていきます。

下の写真では、腰から股関節付近に伸びる大腰筋(だいようきん)を示しています。

大腰筋の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

このように、背面である腰を起点として股関節とつながる筋肉もあるため、実は腰の問題のせいで股関節痛を引き起こすケースもあります。

このあたりの問題については、筋力テストなどを用いてどこの構造が関連しているのかをチェックしていくことが必要です。

神経系の問題

神経系の問題に関連して、股関節痛を引き起こすことがあります。

下の図は、身体の神経支配の領域を示したものです。

身体の神経支配の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

この指標によると、股関節のエリアは胸椎12番(T12)、腰椎1〜5番(L1〜L5)ぐらいまでの神経が関連することが読み取れます。

つまり、股関節が痛んでいると感じていたとしても、神経系の問題があれば起点となる腰や背中側の治療が必要になることがあるということです。

痛みや違和感を感じていても、必ずしも局所自体に問題があるとは限りません。

当院では、そのあたりの問題についてひとつずつ検査をした上で施術を行なっていきます。

体液循環の問題

体液循環の問題によって、股関節痛が引き起こされるケースがあります。

体液とは、血液をはじめリンパ液・脳脊髄液(CSF)といった身体を循環する液体のことを指します。

その中でもリンパ液については、股関節付近に鼠径リンパというリンパの集合体があるため、このあたりで停滞することなども股関節痛の大きな原因となってしまいます。

体液循環の問題についても、様々な検査や施術方法を用いてチェックを行っていきます。

股関節の手術を検討中の方へ

股関節痛がなかなか取れなかったり、大きな原因があると判断された場合、病院では股関節の手術をすすめられることがあります。

しかし、こちらの記事でお伝えしたように、股関節だけに問題があるとは限りません。

本当に原因は股関節だけにあるのか?

身体の専門家に十分な期間・回数診てもらったか?

手は尽くしたつもりだが、他に選択肢はないのか?


そのあたりを踏まえた上で、手術の是非を判断いただくことをおすすめします。

なぜなら、手術によって不要な傷が組織についてしまう可能性もゼロではなく、そのせいで股関節や別の箇所の不調を引き起こすケースもあったりします。

くれぐれも、「お医者さんに言われたからとりあえず手術を受けた」とならないようにしたいところです。

実際に整体で股関節痛が良くなったり、治らないと諦めていた症状が改善される瞬間を見てきた立場として、勝手ながら思うことです。

当院での股関節痛の整体

当院での股関節痛の整体の流れについてご紹介していきます。

・構造面の問題の検査

背骨の検査をしている様子

身体の構造的な問題をチェックしていきます。

「臨床でよくある股関節痛の原因」でもお伝えしたように、背骨に由来する神経系の問題によっても股関節痛は起こるケースがあるので、細かくチェックしていきます。

・筋反射のチェック

足の筋力検査の様子

股関節痛に関連するエリアの筋肉の反射や出力のチェックを行います。

筋反射の検査を用いることで、神経系の状態もチェックすることが可能です。

・構造面へのアプローチ

足の整体をしている様子

全身の構造面に対する整体をおこなっていきます。

股関節はもちろんのこと、股関節に影響を及ぼす別の箇所も調整します。

・体液循環の調整

血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする、体液循環の調整をおこなっていきます。

こちらの記事の「臨床でよくある股関節痛の原因」でもお伝えしたように、リンパの循環と股関節痛は密接に関わるため、細かくチェックし調整していきます。

・自律神経の調整

自律神経の調整をしている様子

自律神経に対するアプローチをおこなっていきます。

自律神経のバランスが整うことで、組織を回復させるのに必要な治癒力の向上が期待できます。

まとめ

股関節痛についてまとめていきます。

  • 股関節は可動性の高い球関節である
  • ストレッチだけでは改善しないケースが大多数
  • 股関節以外の問題が関連するケースが多い
  • 構造・神経・体液の問題が主な原因となる
  • 手術は他の選択肢も視野に入れて慎重に選ぶ


股関節の痛みでお悩みの方は、臨床的にも数多くいらっしゃいます。

痛みのせいで歩くのが辛かったり、立ち座りで不自由してしまったり、日常生活に大きな支障が出てしまうケースも少なくありません。

しかし、股関節の痛みが起こるのには必ず原因があります。

また、こちらの記事でもお伝えしたように、その原因の多くは股関節以外にも存在します。

当院では、股関節痛を改善に導くために、様々な検査や施術を通してアプローチをおこなっていきます。

根本的に身体を整えて痛みを取り除きたい方は、一度ご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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