院長ブログ

妊娠中の恥骨痛・尾骨痛の整体|解消法を妊産婦ケアに強い整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、妊娠中の恥骨痛や尾骨痛をはじめとするマタニティ整体の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、妊娠中の恥骨痛・尾骨痛の原因や当院での整体による解消法についてお話ししていきたいと思います。

妊娠中の恥骨痛・尾骨痛の症状一覧

妊娠中に起こりやすい恥骨痛・尾骨痛の症状についてご紹介していきます。

臨床上よくあるものとしては、

  • 歩く際に恥骨の付近が痛む
  • 座っていると尾骨が当たる感じがする
  • 踏ん張った時に恥骨や尾骨に痛みが出る
  • 上向きで寝る時に腰が浮くような感じがする
  • 重いものを持つ際に恥骨や尾骨が痛む
  • 尾骨が出っ張っているような感じがする
  • 階段の昇り降りで痛みが出やすい

などが挙げられます。

特に妊娠中は通常時と体質的な面も異なるため、恥骨痛・尾骨痛などの不快症状が起こりやすい時期です。

もちろん、恥骨痛や尾骨痛は妊娠中以外にも起こるケースはあります。

しかし、外傷や神経痛などの要素によって起こる恥骨・尾骨痛以外は、今回のように妊娠中(または産後)に起こっているケースがほとんどです。

妊娠中に感じやすい原因やその際の対応について知ることで、恥骨痛・尾骨痛を改善するためのヒントになると思います。

妊娠中に恥骨痛・尾骨痛が起きやすい理由

妊娠中に恥骨痛・尾骨痛が起きやすい理由について、いくつかご紹介していきます。

主な理由としては、

  • 構造面の問題が出やすいため
  • 妊娠前の問題が表面化しやすいから
  • ホルモンの影響を受けやすいから

などが挙げられます。

ひとつずつ解説していきましょう。

構造面の問題が出やすいため

背骨のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

妊娠中は、身体の構造面の歪みや硬さなどの問題が起こりやすい時期です。

なぜなら、お腹が大きくなるのに従って身体の構造面に大きな変化が生じるからです。

そのような構造面の状態に影響され、恥骨や尾骨の痛みを引き起こしやすくなってしまいます。

また、妊娠中は胎児の成長に合わせて「スペースを譲る」「栄養を供給する」ことを行なうため、様々な不調が起こりやすいとも考えられています。

臨床的にも、構造面の歪みによって痛みが出ているケースが多いと私は感じています。

妊娠前の問題が表面化しやすいから

患者に問診を行なっている様子

妊娠中は、以前から抱えていた身体の問題が表面化しやすい時期です。

なぜなら、妊娠することによって体質や生活スタイルの変化の影響を受けるからです。

特に、体液循環や疲労回復のサイクルにも問題が起こりやすくなります。

そのため、妊娠中の環境がきっかけとなり、今まで持っていた潜在的な問題が表面化しやすくなるのです。

これについては、女性の更年期に関しても共通する部分があると考えます。

「以前からの問題が表面化しやすい時期」

という要因が深く関わってきます。

妊娠中も更年期も、皆さん同じように症状が出るわけではありません。

これまでに抱えてきた問題の大きさに比例するようにして、結果的に症状が起こると言えるのではないでしょうか?

ホルモンの影響を受けやすいから

座って子供を抱くお母さんたち

ホルモンバランスの影響を受けやすいことも、妊娠中に恥骨痛・尾骨痛が起きやすい理由のひとつです。

妊娠中はリラキシンというホルモンの作用によって、関節や靭帯などの安定性が悪くなり、恥骨痛・尾骨痛などを引き起こしやすいと言われています。

このホルモンは、妊娠によって変化していく身体に必要なものなのですが、その作用が影響して構造面の歪みや緊張などを招く可能性があるのです。

病院での対処法

骨折などの問題がない限りは、病院で対処できることには限りがあります。

一般的には、

  • コルセットによる支え
  • インナーマッスルなどの筋トレ
  • ストレッチ
  • 寝姿勢の工夫

などが選択されます。

いわゆる対症療法がメインとなります。

この後に恥骨痛や尾骨痛の痛みの原因について触れますが、痛みの改善には身体に起きている問題に対してアプローチをしていく必要があります。

どこで問題が起きているのかを把握して適切にケアしていくことで、妊娠中の恥骨痛・尾骨痛の改善率はグンと上がります。

恥骨痛改善に重要な箇所はココ

恥骨痛改善にとって重要な箇所を解説します。

私の臨床経験上、ほとんどの恥骨痛は恥骨自体に問題がありません。

なぜなら、恥骨は恥骨結合というほぼ動かない軟骨性の関節であるため、私たちが手で押さえたからといって簡単に動くような関節ではないからです。

恥骨結合を示した骨格模型

そのため、恥骨結合離開などの局所における大きな損傷がない限りは、背面にある骨盤の関節の調整を行うことで恥骨の痛みを取ることが可能です。

その背面の骨盤の関節とは、下の図で示した仙腸関節のことです。

仙腸関節を示した骨模型

恥骨痛改善のためには、ココがとても重要となります。


下の画像のように、骨盤は前面の恥骨でつながっているところと、背面で仙腸関節としてつながっているところと主にこの二つが支えとなり骨盤を形成しています。

骨盤の骨格模型

そのため、背面で起こっている問題が前面の恥骨に影響するということが多々あります。

こういった構造面の問題にも目を向けることで、恥骨痛は和らいでいくことでしょう。

臨床でよくある恥骨痛・尾骨痛の原因

私の臨床経験上、よく出会う恥骨痛・尾骨痛の原因箇所について解説していきます。

その一例として、

  • 尾骨の歪み
  • 仙骨〜骨盤の歪み
  • 胸椎の問題

が挙げられます。

順番に解説していきましょう。

尾骨の歪み

尾骨を示した骨模型

局所である尾骨の歪みによって、痛みを引き起こしているケースがあります。

尾骨は上部にある仙骨とつながりを持ち、仙尾関節という関節を構成しています。

先述の恥骨結合と同様、この関節もほとんど動かないものではありますが、稀に歪みが出るケースがあります。

その際には関節自体の調整が必要となりますので、やさしい刺激での矯正を行います。

仙骨〜骨盤の歪み

骨盤の前傾と後傾のイメージ図

仙骨や腸骨など、骨盤を構成する骨の歪みによって恥骨痛や尾骨痛が出ることがあります。

妊娠中はお腹が大きくなるにつれて、骨盤の傾きや状態が変わっていきます。

また、「妊娠中に恥骨痛・尾骨痛が起きやすい理由」でもご紹介したように、ホルモンの影響を受けることで骨盤の歪みも起こりやすくなっています。

そのような骨盤の歪みがきっかけとなり、恥骨痛・尾骨痛を引き起こすケースがあります。

胸椎の問題

胸椎の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

私の経験上、恥骨痛や尾骨痛を訴える方の多くが、胸椎の何らかの問題を抱えているケースが多いと感じています。

おそらく、妊娠中の姿勢の変化や身体の構造面の問題などが影響して、胸椎のエリアに負担がかかっているのでしょう。

私の妻の妊娠中もそうでしたが、お腹が大きくなってくる時期から胸椎エリアの硬さが目立ってきたように感じました。

妊娠中の整体では、特にこのあたりの状態を詳しくチェックしていく必要があります。

妊娠中に整体を受けても良いの?

患者さんへのヒアリング風景

結論からお伝えすると、妊娠中でも整体は受けられます。

というか、むしろ受けておいた方が良いです。

なぜなら、妊娠中の身体の問題を薬などを使わずに自然に解消することができるから。

また、マタニティ整体を通して、赤ちゃんの成長・発達のサポートにもつながります。

赤ちゃんの成長発達は生まれてからではなく、お腹の中にいる時からスタートしているのです。

妊婦さんのお身体に対しての適切な知識や施術における禁忌事項、この2つをきちんと押さえておけばマタニティ整体は安全に行うことができます。

ちなみに、うちの奥さんの妊娠中もずーっと家でマタニティ整体をしていました。

妊娠週数に合わせて、施術のやり方を臨機応変に変えていました。

自宅でのマタニティ整体の様子

↑自宅にて。この時ちょうど妊娠6ヶ月。

家に抱き枕型のヨギボーがあったので、うまいことUの字にしてマタニティ枕として代用していました。笑

手前味噌ではありますが、妊娠中に特に目立ったトラブルもなく無事に子供を産んでくれ、産後も元気に育児に取り組んでくれています。

「症状がなくなった=治った」ではない

骨盤の模型を用いた説明風景

症状が自然となくなったからといって、根本的な問題がなくなったとは限りません。

たまに、 「しばらく放置してたら痛みが取れた」 とおっしゃる方がいますが、実際にお身体をチェックすると局所の歪みが残っているケースがあります。

私たちの身体には、ホメオスタシスというものが存在し、元の状態に戻ろうとする力が働いています。

そのため、歪みなどの問題は取れていなくても一時的に痛みがなくなることがあるのです。

しかし、身体に起きている問題自体が解消されている訳ではないため、その問題が影響して将来的にぶり返してくるような可能性も考えられます。

何が言いたいかというと、

今起きている問題は今向き合った方が良い

ということ。

もちろん、当院でも慢性症状を改善する施術を行っていますが、やはり問題が起きた直後に対応した方が治りは断然早くなります。

妊娠期における子供の発達との関係性

ママと一緒に遊ぶ子供

妊娠時期の環境やお身体の状態は、子供の発達にも大きく関連すると言われています。

なぜなら、お腹の中で胎児が成長していくには、母体からの栄養供給が必要不可欠だからです。

栄養供給を十分に行うためには、母体の身体に歪みや硬さ・過度なストレスがないことが大切となります。

また、水分や栄養摂取・生活習慣なども胎児の発達に大きく関わってきます。

さらに、妊娠中の頃から、母体の精神状態や幸福感が胎児へ影響するという説も。

妊娠中に感じている痛み症状やお身体の問題など、胎児の発達が始まるこの時期だからこそできるケアがあるのです。

そういった観点からも、マタニティ整体を受けることで得られるメリットは今後の育児などにおいても大きなメリットがあると考えます。

当院のマタニティ整体について

当院では、妊婦さん専用のうつ伏せ枕もご用意しておりますので、楽な姿勢で施術を受けていただけます。

マタニティ整体のクッション

同じ姿勢が続くと辛くなってくるかもしれませんので、その際はご遠慮なくお申し出ください。

横向きや、座位での施術も可能です。

続いて、当院でのマタニティ整体の流れについてご紹介していきます。

・全身の構造面のチェック

妊娠中の恥骨痛・尾骨痛に関連する骨盤をはじめ、全身の骨格の問題をチェックしていきます。

こちらの記事でもお伝えしているように、痛む局所以外の箇所が原因となって症状を引き起こしているケースがあるため、細かく状態を把握していきます。

・神経学的検査

脳神経の検査をしている様子

脳神経の伝達の状態を検査していきます。

関節の位置感覚のズレなど、身体を動かす際の神経の状態も恥骨痛や尾骨痛に関連するため、詳しくチェックしていく必要があります。

・全身へのアプローチ

肩の整体の様子

整体施術で全身の構造面にアプローチしていきます。

恥骨痛・尾骨痛のポイントとなる骨盤周辺の調整も行っていきます。

・体液循環の調整

体液循環の調整の様子

血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする、体液の循環を調整していきます。

妊娠中の身体の回復力を高めるためには、この体液循環が非常に重要となるため、どこで停滞しているのかを判断した上で細かくアプローチしていきます。

・自律神経の調整

自律神経の調整をしている様子

自律神経の調整を行っていきます。

身体のオン・オフをつかさどる自律神経にアプローチすることで、痛みの抑制や身体の治癒力の向上が期待できます。

マタニティ整体を受けられた方の声

当院でマタニティ整体を受けられた方の声をご紹介していきます。

マタニティ整体を受けた方の声
【当院のGoogleレビューより引用】

※個人の感想です。全ての方に効果を保証するものではありません。

まとめ

妊娠中の恥骨痛・尾骨痛についてまとめていきます。

  • 妊娠中は構造面やホルモンの影響を受けやすい
  • 局所以外の問題によって痛みが出ることがある
  • 恥骨の痛みは骨盤背面の関節調整が効果的
  • 妊娠中の問題は今対処しておくことが重要


妊娠中は様々な身体のトラブルが起こりやすい時期ですが、その中でも恥骨痛や尾骨痛は特にご相談いただく機会が多いです。

痛みや不調のないマタニティライフを送るためには、身体のメンテナンスはとても重要です。

また、こちらの記事でもお伝えしたように、母体の状態がお子さんの成長・発達にも大きく関連してきます。

安全かつ効果的にお悩みを改善したいという方は、一度ご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

関連記事

◇妊娠中の痛み・しびれの治し方
◇妊娠中の坐骨神経痛の治し方
◇妊娠中の股関節痛の改善方法
◇妊娠中の便秘改善について
◇妊娠中の足のつり改善法
◇悪阻(つわり)の和らげ方
◇逆子の改善方法
◇産後の骨盤の歪み改善方法
◇産後うつの改善方法
◇子供の発達障害について
◇子供の夜泣き改善について
◇子供のお腹の弱さの改善法

乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。