院長ブログ

逆子の整体|原因や治し方について妊産婦ケアに強い整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、逆子をはじめとする妊産婦ケアの施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、逆子の原因や当院での整体についてお話ししていきたいと思います。

逆子の概要

逆子の概要についてお話ししていきます。

逆子とは、お腹の中で 胎児の頭が上を向いている状態 のことを言います。

厳密には横を向いているケースもありますが、通常は下を向いているはずの頭が、その他の方向に向いてしまったりします。

妊娠後期になるまでの間は、赤ちゃんはいろんな向きになって動いています。

そして、成長とともに頭が重くなり、次第に頭が下に向いていきます。

しかし、何らかの要素によって、下向きの位置に落ち着いてくれないことがあります。

多くの場合は自然と戻ってくれますが、出産直前まで返らない場合は、外回転術や帝王切開などの処置を選択することになります。

逆子の種類について

逆子の種類を示したイラスト

逆子の種類について解説していきます。

通常の頭が下に向いている状態を頭位(とうい)と言いますが、逆子の場合も下に向いている各部位に従って呼び方が異なります。

お尻が下にいっていれば殿位(でんい)、足が下なら足位(そくい)、膝が下なら膝位(しつい)と呼ばれます。

ちなみに、この中で最も頻度が多いのは殿位で、次に足位、膝位と続くと言われています。

逆子になる確率

妊娠中期までは、30〜50%の妊婦さんに逆子が起こると言われています。

この数字を見ると、逆子がさほど珍しいことではないことが分かりますよね。

その後、自然に返ったり出産前にできる処置をおこなった上で、分娩時に逆子になっている可能性は3〜5%程だと言われています。

できる処置をした上で、赤ちゃんが一番心地よい位置に来てくれることを信じましょう。

いつから逆子と診断される?

逆子の診断時期についてお伝えしていきます。

主には、妊娠30〜32週の頃に逆子と診断されるケースが多いです。

妊娠中期に逆子が分かることもありますが、この時期はまだお腹のスペースのゆとりもあり、多くの場合は自然と返ります。

そのため、婦人科の先生も「まだこの時期は動き回るからね」といった感じで、まだ様子見の時期であることを伝えることが一般的です。

そして30週以降になると、逆子体操や今後の処置の流れなどを指導されるようになります。

お母さん自身もこの頃から逆子というものを本格的に意識するようになってきます。

しかしながら、出産直前まで逆子が返る可能性は十分あります。

出産直前のエコー(超音波)検査で返っていたというケースもあるので、最後まで諦める必要はないということも頭の片隅に置いておくと良いと思います。

逆子の原因について

逆子の原因に関してお伝えしていきます。

残念ながら、今のところ逆子のハッキリとした原因は分かっていません。

しかし、逆子になる要素として考えられるものがいくつかあります。

こちらでは、一般的に言われている逆子の原因についてご紹介していきます。


・胎盤の位置の問題
胎盤の位置の問題によって逆子が起こると考えられています。

例えば、通常は子宮の上部についている胎盤が下の方にあることを、前置胎盤(ぜんちたいばん)、低置胎盤(ていちたいばん)などと呼んだりします。

そのように、胎盤の位置の問題が起こることで、胎児の位置や動きにも影響が及び逆子になると言われています。


・子宮の形状などの問題
母体の子宮の形状に何らかの問題があれば、逆子になりやすいと考えられます。

例えば、奇形や筋腫などがあった場合は、胎児の動きや位置にも影響し逆子の原因になると言われています。


・骨盤の形状の問題
骨盤の形状の問題についても、逆子を引き起こす要因であると考えられています。

例えば、お母さんの骨盤が狭い場合、胎児がうまく下を向くのが難しくて逆子になるケースがあります。


・多胎妊娠
多胎妊娠によって、逆子のリスクが上がると言われています。

複数の胎児がいることでお腹のスペースが狭くなり、両方もしくはどちらか一方が逆子になる可能性があります。


・胎児が大きい
胎児が大きいことも、逆子のリスクに影響します。

また、胎児に比べてお母さんが小柄だったりすると、お腹のスペースの問題によって逆子が返りづらい状態になったりします。


・羊水の問題
羊水過多・過少など、胎内の羊水の量が逆子に影響すると言われています。

逆子体操で返ってくれる?

骨盤矯正をしている様子

逆子体操の効果について、私の経験も踏まえてお伝えしていきたいと思います。

私は不妊治療や妊産婦ケア専門の鍼灸院・整体院で長年修行を積んでおり、たくさんの逆子の方と向き合ってきました。

今まで施術させていただいた逆子の方は100名は軽く超えています。

そんな私の体感ですが、逆子体操で返ったという人は決して多くはないと感じています。

もちろん、逆子の整体に来られるということは、逆子体操をした上で返っていない人も混ざっている訳ですから、当然少数派だと感じるのも当然かもしれません。

しかしながら、その他の出産経験のある女性など、幅広い層にヒアリングをした結果そう感じています。

また、逆子体操をしている方の感想として、

「あれ結構辛いんです」
「お腹の痛みや張りが出やすい」

などといったお声も多数聞かれ、婦人科の先生によっては逆子体操をすすめないケースもあります。

逆子体操に限らず、実施していること自体がしんどかったりストレスになっている時点で、個人的には逆効果になってしまっていると考えます。

もしも逆子体操が苦痛になっているのであれば、それ以外の選択肢もあることを知っておいてほしいと思います。

逆子のお灸で改善される?

足の骨模型

逆子のお灸で改善されるケースは実際にあります。

ただし、それで全ての逆子に対応できるわけではありません。

逆子改善のツボには、足にある三陰交(さんいんこう)と至陰(しいん)などの有名なものがあります。

しかし、東洋医学で扱うツボというのはあくまで統計学に基づくものであって、逆子であれば誰でもそのツボを使えば良いかと言われれば、実は必ずしもそうではないのです。

私も鍼灸師なので、上記の逆子改善のツボを使うことで返ったケースもあれば、返らなかったケース、整体などと併用して返ったケース、整体と併用しても返らなかったケース、それぞれあります。

当時は「できることは全てやる!」といった感じで、その方の状態はともかく逆子に良いとされることは全て詰め込むような施術をしていました。

そのため、正直に言うとどれが作用して良くなったのかは分からず、結果オーライ的な施術をしていました。

しかし今になって分かるのは、良かれと思ってしている刺激の量が、その人のキャパシティーを超えて逆効果になってしまう可能性があるということです。

そこから改めて学び直し、お灸以外にも逆子を改善する術があることに気づきました。

今では、手でその方の身体の状態を感じとり、痛みを感じない方法で全身を整え逆子を改善に導いています。

お灸自体はリラックス効果もあり良いものですが、逆子を改善するためには他にアプローチするべき箇所があるということも参考までに知っておいて欲しいと思います。

外回転術について

外回転術(がいかいてんじゅつ)についてご説明していきます。

外回転術は、出産間近になっても逆子が改善されない場合に、お腹の外側から手を使って胎児を回転させ逆子改善を試みる処置のことです。

私が担当させていただいた妊産婦の方のお話を聞いても、この外回転術で逆子が改善されたという方は割といらっしゃいます。

ただし、外回転術を受けるのにも条件があります。

  • 帝王切開の経験がないこと
  • 胎盤の位置が正常であること
  • 胎児が問題なく成長していること
  • 羊水の量が正常の範囲内であること
  • NICU(新生児集中治療室)のある病院であること


これらの条件をクリアした上でおこなわれます。

また、外回転術を行う場合には、早産や胎児の心拍数などの変化、緊急帝王切開の可能性も出てくるため、十分な説明を受け納得した上で選択する必要があります。

妊婦も整体を受けて大丈夫?

施術者が妊婦さんの身体の状態を熟知していれば、むしろ妊娠中から整体を受けられた方が良いです。

ヨーロッパなどの諸外国では、妊娠中のケアや産後のケア(ウィメンズヘルスと言ったりします)などが盛んにおこなわれています。

しかし、今のところ日本では、まだ妊娠中のマタニティケアについては発展途上のようです。

「産後の骨盤矯正」など、いわゆる美容的な意味合いでの整体は馴染みがあるかもしれませんが、身体の機能を高めるような妊産婦ケアをおこなっているところは決して多くはないと感じています。

産後の骨盤矯正は、「骨盤をバキッとしたらOK」といった単純なものではありません。

全体性を整えて、初めてその効果を発揮するものなのです。

ちなみに、うちの奥さんの妊娠中もずーっと家でマタニティ整体をしていました。

妊娠週数に合わせて、施術のやり方を臨機応変に変えていました。

自宅でのマタニティ整体の様子

↑自宅にて。この時ちょうど妊娠6ヶ月。

家に抱き枕型のヨギボーがあったので、うまいことUの字にしてマタニティ枕として代用していました。笑

手前味噌ではありますが、妊娠中に特に目立ったトラブルもなく無事に子供を産んでくれ、産後も元気に育児に取り組んでくれています。

いつ頃から取り組むべきか?

妊婦のイメージ写真

逆子の治療に取り組んだ方が良い時期についてお伝えしていきます。

妊娠30週くらいまではよく動いて返ることも多いため、そこまでは様子を見ても良いのかもしれません。

ただし、逆子になっている原因が身体のどこかにあるのであれば、それは早めに対処しておかないと時間と共に返る可能性は低いと考えます。

例えば、以前から抱えていた背骨の問題が逆子に影響していたとして、妊娠週数を重ねればその背骨の歪みがなくなるかと言われればそうではありませんよね?

そのため、逆子と告げられた時にはマタニティ整体を取り扱う院などに早めにご相談いただき、対処を始めておかれることをおすすめします。

特に問題がなく、自然に返ってくれればそれもOKですし、以前からの身体の歪みなどが影響しているのであれば、数回はかかるかもしれないので早めに始めておけば返りやすいですよね。

早めに対処されるもうひとつの利点としては、精神的なゆとりの面で違いが出ます。

逆子になる、または逆子が返らないことの一因として、不安や考えすぎなどの 精神的なストレスも関連 してきます。

そのため、出産が近づいてきてもまだ返っていないことに焦り始め、ゆとりを持って整体などの施術を受けられないケースがあります。

中には、「帝王切開でも何でも、元気に生まれてくれたらそれで良い」と大らかに捉えられる方もいらっしゃいます。

しかし、私が見てきた多くの方は帝王切開に対する不安が膨らんだり、返らないことに対するストレスを抱えるケースが多いと個人的には感じています。

そのため、逆子と言われた場合は、30週前後を目安にできるだけ早めに対処を始める。

これが当院の見解です。

まずは相談だけでも構いません。

良さそうな整体院などをピックアップし、とりあえず数軒に問い合わせだけでもしておくと良いと思います。

いざという時にすぐ動けるように。

当院での逆子の整体

当院での逆子の整体についてご紹介します。

主には、

  • 構造の問題
  • 神経の問題
  • 体液の問題


これらにアプローチをしていきます。

私たちの身体は、家に例えると地盤や鉄骨といった構造上の設備と、そこに通る電気の配線、整備された水道管があることでその機能を果たしています。

それらのどこに問題があるかを判断した上で、的確にアプローチすることで逆子は改善率が上がります。

妊娠中は特にお腹周りなどのスペースを胎児にしっかりと譲ってあげる必要があるため、歪みや硬さなどの要素によって物理的に返りづらい状態になっているケースがあります。

それらの問題に対して手を使って優しく整えていきます。

また、妊婦さん専用のうつ伏せ枕もご用意しております。

マタニティ整体専用のクッション

妊娠中は寝姿勢によってはしんどくなることがあるので、なるべく負担の少ない状態で受けていただけるよう体勢や時間などには細心の注意を払っています。

その他、妊娠中の整体についてのご不明な点などがあればいつでもご相談ください。

まとめ

逆子の整体についてまとめていきます。

  • 分娩時に逆子である可能性は3〜5%
  • 逆子は母体の状態によって大きく左右される
  • 妊娠30週を目安に早めの治療スタートが◎
  • お灸や逆子体操だけでは返らないケースがある
  • 当院では構造・神経・体液などの全身を調整


逆子でお悩みの方は、臨床的にもたくさんいらっしゃいます。

こちらの記事でもお伝えしたように、逆子になる原因は様々な要素が複合的に関連します。

そのため、特定のツボや体操など、定型的な対処法だけでは改善されないケースが多いのです。

当院では、逆子という症状ではなく、逆子になっているあなたの状態に目を向けて施術をおこなっていきます。

まずはご相談だけでも構いません。

無事にご出産できるよう、できる限りのサポートをさせていただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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