こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。
私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、つわり(悪阻)をはじめとするマタニティケアの施術現場に携わってきました。
今回の記事では、自律神経症状専門の整体師である私の経験をもとに、つわりの原因や当院での整体による軽減方法などについてお話ししていきたいと思います。
つわりの症状について

臨床でよく見かけるつわり(悪阻)の症状についてご紹介していきます。
一般的に多いつわりの症状としては、
- 吐き気
- 食欲不振
- 嘔吐
- 胃の不快感
- 便秘
- 匂いに敏感になる
- 眠気
- 倦怠感
- イライラ
- 口の渇き感
- 肌の乾燥
- 体重減少
などのものが挙げられます。
つわりで直接的に起こる胃腸症状をはじめ、それらが続くことによって起こるイライラや体重の減少など、二次的に起こる症状まで含めるとこれだけたくさんのものが存在します。
程度に差はあれど、半分以上の妊婦さんがつわり症状を経験すると言われています。
通常、つわりは妊娠5週目の頃から感じ始めることが多く、たいていは妊娠16週目ぐらいまでには回復しているケースが多いです。
しかし、一旦症状が軽減したとしても、後期に再びつわりが出る「後期つわり」と呼ばれるものもあり、その症状の出方や期間は人によってかなり個人差があります。
また、つわりがひどくて重症化するケースを「妊娠悪阻」と呼び、水分や栄養の摂取・代謝障害を起こす場合などもあるため注意が必要です。
婦人科領域では、つわりの状態と胎児の状態は無関係であると言われています。
つわりの原因

妊娠中のつわりの原因について解説していきます。
最も多く提唱されている原因は、妊娠に伴う ホルモンバランスの影響 です。
そして、そのホルモンバランスの変化に対して、母体が適応できないことによってつわりが引き起こされると言われています。
妊娠すると、
- エストロゲン
- プロゲステロン
- ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)
などのホルモンの分泌量に変化が起こります。
それによって、脳内にある嘔吐中枢が刺激され、様々なつわり症状を引き起こすきっかけとなります。
その他にも、血糖・ビタミンなどの栄養の代謝などの問題、妊娠したことでの精神面の影響なども関わると言われています。
いずれにせよ、つわりの原因やメカニズムについては未だ不明な点も多く、それぞれの症状に合わせてケアをおこなうことが必要となります。
つわりの種類と対策

つわりの種類とそれぞれの対策についてご紹介していきます。
主なものとしては、
- 吐きづわり
- 食べづわり
- 寝づわり
- よだれづわり
などのものがあります。
それぞれ解説していきましょう。
吐きづわり
吐きづわりは、吐き気や嘔吐を伴う症状を中心としたつわりのことです。
つわりを感じる妊婦さんの半数以上が、このタイプのつわりを経験するとも言われています。
症状としては、
- 常に気持ち悪い
- 食べてもすぐ吐いてしまう
- 一日中車酔いのような状態
- とにかく動けなかった
などを訴えるケースが多いです。
吐きづわりの対策としては、とにかく 水分補給を意識する ことが重要です。
食べられなくても、水・炭酸水・氷など、何らかの形で水分を補給するだけでとりあえずOK。
その他、飴玉やスープ・アイスキャンデーなど、食べれそうなものから少しずつ摂取してみてください。
食べづわり
食べづわりとは、空腹時に気持ち悪くなってしまうつわりのことです。
常に何かを口にしていないと気持ち悪くなるため、食べ物のことを考える機会が増えます。
また、空腹時に胃酸が上がってくるようなケースも多いため、食べづわりの対策としては こまめな食事摂取 が効果的です。
食べづわりを経験した方々にお話を伺うと、こんにゃくゼリー・クッキー・おにぎりなどを手の届く範囲に置いておき、こまめに食べられるようにしていた方が多いようです。
また、1日のカロリー摂取量の管理も必要となるため、好きなものに加えてスルメ・昆布・ノンシュガーのガム・もやしなど、低カロリーで食べ応えのあるものを利用するのもひとつの方法です。
寝づわり
妊娠中に眠気やだるさが顕著に見られる状態のこと。
別名「眠りつわり」とも呼ばれます。
眠気やだるさは、妊娠中以外にも感じることのあるものですが、寝づわりの場合はその症状の程度が想像以上に強いことが多いようです。
ひどい人では1日中眠気に襲われてしまい、目の前の作業に集中できなかったり気力がなくなるなど、生活に大きな支障をきたすケースがあります。
また、通常のつわりは妊娠5〜16週目ぐらいの間で軽減することが多いですが、寝づわりはそれ以上に長引く場合も多々あります。
寝づわりの対策としては、
- 冷水で顔を洗う
- 冷水を飲む
- ガムを噛む
- 散歩をする
- 誰かと話す
- 眠れる環境を準備する
などが挙げられます。
自身でできることには上記のようなものがありますが、できれば眠気を感じたらそのまま眠ってしまった方が良いです。
また、妊娠中の周囲のサポートは必要不可欠となります。
つわり症状が出ていれば尚更です。
パートナーや同僚など、身の回りの人たちからのサポートを受けやすい環境づくりも大きな対策のひとつです。
よだれづわり
よだれづわりとは、唾液の量が極端に増えて不快症状を引き起こすつわりのことです。
時間や場所を選ばずよだれが出てきてしまい、「唾液が苦くて飲み込めない」「唾液を飲み込むと気持ちが悪い」などの症状が出てきます。
よだれづわりが起きる原因には、唾液の分泌に関わるビタミンやホルモンなどの影響が挙げられます。
よだれづわりの対策としては、
- こまめに唾液を吐き出す
- こまめにうがいをする
- こまめに水分摂取をする
- アメやガムを食べる
- マウスウォッシュでスッキリさせる
- 枕元に洗面器を置く
- 食事を小分けにする
- 外出時にティッシュやタオルを用意
- 色付きのペットボトルに吐き出す
などのものがあります。
出てきてしまうよだれを食い止めるというよりは、その処理の方法を工夫することで、よだれづわりを乗り切れるような実践が必要です。
注意が必要なつわり(妊娠悪阻)

注意が必要となるつわり(妊娠悪阻)についてご紹介していきます。
冒頭でお伝えしたように、つわりは大なり小なりほとんどの妊婦さんが経験するものですが、中には重症化するケースもあります。
通常のつわりよりも症状が激しく続く場合は、「妊娠悪阻」と呼ばれ 病院での点滴治療などが必要 となります。
妊娠悪阻の目安としては、
- 水分摂取すら困難な状態
- トイレの回数が減っている
- 体重が5〜10%減少した
- 尿中のケトン体が陽性
などが挙げられます。
通常のつわりであれば、胎児への影響は無いと考えられていますが、妊娠悪阻によって脱水状態を引き起こすと話は変わってきます。
上記に当てはまる場合は、すぐに病院へ相談してみましょう。
臨床でよくあるつわりの原因箇所
私の臨床経験において、つわりでお悩みの方に共通する身体の問題について解説していきます。
主には、
- 胸椎の問題
- あたまの硬さ・歪み
- 前胸部の硬さ
の3つが挙げられます。
ひとつずつ解説していきましょう。
胸椎の問題

つわりで悩まれている方の多くは、胸椎の問題を抱えていると感じています。
上の写真で示されている背骨のエリアのことを胸椎(きょうつい)と言います。
この胸椎がつわりに関わる理由としては、胃腸との神経的なつながりが挙げられます。
胸椎からは、大内臓神経・小内蔵神経という、胃腸をはじめとする 内臓を栄養する神経 が出てきます。
そのため、神経の出どころである胸椎に対して、何らかの硬さや歪みが生じていることが原因となり、内臓の不調が出ることがあります。
つわりは胃腸症状としての側面も持つため、このような胃腸を栄養する神経の問題も見逃せません。
あたまの硬さ・歪み

つわり症状を抱える方の中には、頭蓋骨をはじめとするあたま周辺の皮膚・筋肉などに硬さや歪みを持っているケースが非常に多いです。
その中でも、嘔吐中枢などに関わる延髄の付近は、妊娠中のつわり症状と深い関連性があります。
また、つわりの整体では、特に蝶形骨と後頭骨と呼ばれる頭蓋骨の調整がポイントとなります。

なぜなら、先ほどご紹介した嘔吐中枢である延髄に隣接する頭蓋骨だからです。
それ以外にも、あたまの調整は自律神経へのアプローチにもつながるため、つわり症状の改善に役立ちます。
前胸部の硬さ

私の臨床経験上、つわり症状を抱える方は、前胸部が硬くなっているケースが多いと感じます。
つわりで気分が悪い場合、自然と背中が丸まった姿勢になってしまい、上の写真で示した前胸部のあたりが緊張してしまうことが一因であると考えます。
そして、その緊張状態が長時間にわたって続くと、局所の組織の硬さはさらに強固なものになってしまいます。
また、前胸部にある胸膜と胃腸に関連する腹膜は内部で連結しているため、つわり症状の改善に重要な部位となります。
そのあたりの膜組織の制限を取り除いていくことで、つわりの症状はさらに軽減しやすくなることでしょう。
妊娠中に整体を受けても大丈夫?

結論からお伝えすると、妊娠中でも整体は受けられます。
というか、むしろ受けておいた方が良いです。
なぜなら、妊娠中の身体の問題を薬などを使わずに自然に解消することができるから。
また、マタニティ整体を通して、赤ちゃんの成長・発達のサポートにもつながります。
赤ちゃんの成長発達は生まれてからではなく、お腹の中にいる時からスタートしているのです。
妊婦さんのお身体に対しての適切な知識や施術における禁忌事項、この2つをきちんと押さえておけばマタニティ整体は安全に行うことができます。
ちなみに、うちの奥さんの妊娠中もずーっと家でマタニティ整体をしていました。
妊娠週数に合わせて、施術のやり方を臨機応変に変えていました。

↑自宅にて。この時ちょうど妊娠6ヶ月。
家に抱き枕型のヨギボーがあったので、うまいことUの字にしてマタニティ枕として代用していました。笑
手前味噌ではありますが、妊娠中に特に目立ったトラブルもなく無事に子供を産んでくれ、産後も元気に育児に取り組んでくれています。
つわりに対して私が思うこと

つわりに対して私が思ことをお伝えしていきたいと思います。
つわりのメカニズムについては様々な説がありますが、実際のところ解明されていない点が多いのも事実です。
「ホルモンバランスの変化によって起こる」と言われれば確かにそれも一因なのでしょうが、中にはほとんどつわりが起きない人もいるし、つわり症状の感じ方は人それぞれです。
しかしながら、つわりと身体の機能面が関連していることは確かなので、身体に対して適切なケアをすることで症状を軽減することは可能だと考えています。
また、つわりをはじめとする身体に起きる症状は、今の自分と向き合うための良いきっかけを与えられているのでは?と私自身は感じています。
つわり症状自体は非常に辛いですが、もしかするとお腹の赤ちゃんと対話するための貴重な時間をもらっているのかもしれません。
そういった観点から、「つわりが起こる意味」について考えていると、なんかとても神秘的なものだなーとも思います。
私は身体を整える専門家なので、整体施術を通してつわり症状を軽減に導いていければと思っています。
また、有意義なマタニティ生活を送ってもらえるよう、妊産婦の方々をサポートできる存在であり続けます。
当院のつわりの整体の流れ
当院のつわりの整体の流れについてご紹介していきます。
・構造面のチェック

身体の構造面の歪みや硬さなどをチェックしていきます。
「臨床でよくあるつわりの原因箇所」でもお伝えしたように、前胸部のあたりなどの問題もつわりに関連するため、関節の位置や組織の硬さなどを細かく把握していきます。
・神経学的検査

神経学的検査をおこない、関節の位置感覚や神経伝達の状態をチェックしていきます。
つわりをはじめとする胃腸症状に関連する内臓は、神経が栄養することによって働いています。
そのため、つわり症状を軽減するためには神経の状態についても把握していく必要があります。
・構造面へのアプローチ

身体の構造面の問題に対して、整体施術によるアプローチをおこないます。
つわりに関連する部位はもちろんのこと、全身の状態を整えることで症状を軽減に導いていきます。
・体液循環の促進

血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする、体液循環の滞りを取り除いていきます。
特に妊娠中は、胎児への栄養供給のために循環系の変化が起きやすいため、調整しておく意味合いが大きいです。
・自律神経へのアプローチ

自律神経系へのアプローチをおこなっていきます。
自律神経の中枢は脳にあるため、つわりと関連する嘔吐中枢などとも密に連携しており、症状を軽減するためには重要な調整となります。
当院でマタニティ整体を受けた方の声
当院でマタニティ整体を受けられた方の声をご紹介していきます。

※個人の感想です。全ての方に効果を保証するものではありません。
まとめ
つわり(悪阻)についてまとめていきます。
- つわりは妊婦の半数以上が経験する
- つわりには種類別に軽減方法がある
- 妊娠悪阻の場合は病院での治療が必要
- 整体などでケアすることで軽減が見込める
つわりの症状がひどい場合、ほとんど動けなくなってしまうような方もいます。
こちらの記事でもお伝えしたように、当院では身体に起きている問題を的確に整えることで、つわりの症状を軽減することは可能であると考えます。
また、妊娠中に整体を受けることで、胎児の成長・発達をサポートすることにもつながります。
できれば、妊娠中でも気兼ねせず動きたいですよね?
母子に対して安全なマタニティ整体で、つわり症状を軽減したいとお考えの方は一度ご相談ください。
*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉
【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】
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