院長ブログ

テニス肘の治療|原因や治し方について大阪の慢性痛専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)をはじめとする運動器疾患の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性痛専門の整体師である私の経験をもとに、テニス肘の原因や当院での整体での治し方についてお話ししていきたいと思います。

テニス肘の症状について

肘関節の骨模型

テニス肘の症状についてご紹介していきます。

臨床的に多いものとしては、

  • 物を手で持ち上げる際に肘が痛む
  • 物を掴む動作で腕が痛む
  • タオルなどを絞る際に肘に痛みが走る
  • テニスなどのスポーツの際に肘が痛む
  • 台所仕事などの家事で肘に痛みを感じやすい
  • 肘の周りがだるい、疲れやすい
  • 腕の筋肉が張りやすい、緊張しやすい


などが挙げられます。

テニス肘では、主に肘周りから手にかけての痛みを引き起こし、上記のような症状を中心に生活の様々な場面で痛みを感じることとなります。

手を使わずに生活することは極めて難しいため、テニス肘の症状がもたらす不便さはかなりのものです。

テニスプレーヤーの方に多いため、「テニス肘」という名前がついていますが、実際はテニスをしていない方にも起こります。

また、テニス肘は一般的には外側上顆炎(がいそくじょうかえん)を指して使われています。

テニス肘のセルフチェック法

テニス肘のセルフチェックの方法についてお伝えしていきます。

テニス肘の診断に用いられる整形外科的テストのひとつに、手関節伸展テスト(トムセンテスト)というものがあります。

簡単なので、皆さんも一度試してみて下さい。

まずは写真のように、手をグーの状態にして肘を真っ直ぐ前に出します。

テニス肘の整形外科的検査

その状態から、もう片方の手で手の甲側を真下(地面)の方向に力を加えます。


そして、グーの状態にしている方の手首を、加えられた力に対して抵抗するように動かしていきます。

外側上顆炎の整形外科的検査

その際に、肘の外側から前腕にかけての痛みが出れば陽性です。

テニス肘である可能性が高いため、痛みの原因となる箇所をさらに詳しく調べ、早期に対処していくことが必要となります。

なお、この検査で陽性反応が出ない場合は、別の原因が考えられます。

その場合は、手や腕の痛みについての別の記事をご用意しております。

こちらも参考にしてみてください。→◇手、腕の痛み・しびれの改善法

テニス肘の原因について

テニス肘の原因について解説していきます。

一般的には、テニス肘の原因は主に オーバーユース(使いすぎ)によって起こると言われています。

使いすぎて痛んでいる箇所の代表例としては、肘から手にかけてついてくる伸筋(しんきん)群が挙げられます。

前腕の伸筋群の解剖図イラスト
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

その名の通り伸ばすために働く筋肉なのですが、肘を伸ばすためのものではありません。

手首や手の指を伸ばすために働く筋肉なのです。

そんな伸筋の使いすぎなどによって、付着する肘(上腕骨)のあたりで炎症が起きてしまう。

その結果、今回お伝えしているテニス肘(上腕骨外側上顆炎)に至るわけです。

ですから、肘だけの問題で悪くなるケースはともかく、周辺組織の問題が関連して痛みにつながるケースがあるということも知っておかなくてはなりません。

テニス肘の一般的な治療法

テニス肘に対する、一般的な治療法についてご紹介していきます。

代表的なものとしては、

  • 安静にする
  • 湿布を貼る
  • 炎症止めの薬を使う
  • サポーターをつける
  • 痛み止めの注射


などのものがあります。

どの治療法も、症状の程度によっては一定の効果を得られるものです。

しかし、これら全ては 根本原因に対する治療法ではない ということを理解しておく必要があります。

あくまでも対症療法であり、肘の痛みが起きている原因が取り除かれる訳ではないのです。

もちろん、先に痛みを軽減させることも大切です。

ただし、早期の回復や再発予防に取り組むのであれば、どこの組織に問題が起きているのか、お身体の問題点に対してしっかりと向き合う必要があります。

テニス肘改善のポイント【3選】

テニス肘の改善にとって重要なポイントについて解説していきます。

上肢の神経支配

テニス肘の改善には、上肢の神経支配がポイントとなります。

下のイラストをご覧ください。

上肢の支配神経の解剖図イラスト
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

こちらは、首から手にかけての神経の支配領域を示したものです。

ちょうど肘の近くには、第6〜8頚椎の神経(C6〜C8)が通ります。

そのため、首周りで起きている何らかの問題が、テニス肘の症状に影響を及ぼす可能性があるということです。

そのあたりについては、施術前の検査によって関連性を見分けておく必要があります。

このように、身体の感覚神経の支配領域を把握しておくことが、テニス肘をはじめとする症状改善のポイントとなります。

前腕の骨間膜

骨間膜の解剖イメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

前腕にある骨間膜(こっかんまく)の問題もテニス肘改善のポイントとなります。

前腕には橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という骨がありますが、その2本の骨の間には膜の組織が存在します。

その膜の硬さや制限によって、肘や手首の動きなどが邪魔されてしまい、テニス肘をはじめとする様々な腕の症状に影響します。

個人的には、テニス肘を抱えている方の多くは、この骨間膜の問題もあわせ持つケースが非常に多いと感じています。

そのあたりの問題も整えておくことで、テニス肘の症状はさらに軽減されやすいと考えます。

腰との関連性

肘と腰の解剖学的なつながりのイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

腰との関連性を見ていくことも、テニス肘の症状改善のポイントのひとつです。

これは肘から少し離れた箇所の問題ですが、上のイラストのように腰と肘は横並びになった時に近い位置関係にあります。

整体の考え方のひとつに相関関係というものがあり、その中では「似た構造をする箇所は、似た働きをして相互に影響し合う」と捉えられています。

つまり、肘や腕周りの問題が腰に影響することもあれば、回り回って腰の問題が肘に影響することもあるということです。

テニス肘の改善に限らず、症状改善のためには全体のバランスを整えていくことがポイントとなります。

「痛みが消えた=治った」ではない

テニス肘はしばらく安静にしていると、自然と痛みが軽減したりするケースがあります。

また、テニス肘の症状で手術をするような処置に発展することはかなり稀です。

そこで、痛みがなくなったご本人は「あれ?そういえば最近痛くないな。治ったのか」と安心されるケースがあるかもしれません。

しかし、ここで大切なことは 「痛みが消えた=治った」ではない ということ。

もう少し細かく言うと、原因が取り除かれた訳ではありません。

人間の身体は、痛みや傷を修復するために常に自然治癒力が発揮されていますが、程度のきつい歪みや制限などの問題は全てが自己治癒力だけで改善されるわけではありません。

その際は、原因箇所へ的確なアプローチをしていく必要があり、当院では整体施術による様々な矯正法を用いて整えていきます。

よくあるご質問(テニス肘編)

テニス肘に関してよくいただくご質問にお答えしていきます。

サポーターをしていれば治る?

テニス肘の治療において、サポーターはよく用いられるものです。

サポーターはその名の通り、関節の動きをサポートしたり安静を保つ働きがあります。

局所にかかる負担を軽減することができるため、一定の効果を発揮するものだと考えます。

しかし、こちらの記事でお伝えしているように、肘だけの問題が原因でテニス肘になっているケースは稀で、ほとんどはそれ以外の箇所も複合的に関連してきます。

なので、痛みが強く出ている際に、まずは安静をサポートする目的で使用するのはOK。

ただし、いわゆる根本改善を目指したいのであれば、整体施術をはじめとするサポーター以外の治療も必要になってくると私は思っています。

ストレッチで良くなりますか?

ストレッチをおこなうことで、テニス肘の症状が軽減されることはありますが、逆に悪化するケースもあります。

なぜなら、ストレッチが有効なパターンと、そうじゃないパターンのそれぞれが存在するからです。

ストレッチが有効なパターンの例としては、筋肉がメインの問題であるパターンです。

筋肉だけが緊張しているのであれば、ストレッチをすることで症状が改善されるケースはあるかもしれません。

ストレッチが有効でないパターンというのは、筋肉以外の構造面にも問題が及んでいるケースです。

それは例えば、関節の歪みなどを抱えている場合のことです。

筋肉の緊張がその他の構造面の問題によって起こっている場合は、まずはその構造面を整えていく必要があるため、ストレッチだけではよくならないことがほとんどです。

そのあたりは、なかなかご自身で判断が難しいかと思いますので、身体を専門家に見てもらうことも選択肢のひとつです。

動かさない方が良いですか?

痛み始めや腫れ・炎症の強い急性期には、まずは安静を心がけましょう。

そして、アイシングをするなど、まずは炎症が鎮静させることが優先となります。

また、テニスのプレーや日常生活において、明らかな負担となる動作は控えるべきです。

逆に急性期を過ぎてからは、痛みのない範囲で動かしていったり、整体施術などで正しい身体の可動性を出していくことが必要となります。

整体におけるテニス肘の治療では、「硬くて動かない場所」へアップローチしていく必要があります。

治療は急性期の時期からスタートすることで、改善率や回復スピードも上がりやすくなるため、早めに対処していくことがベストです。

当院のテニス肘の整体

当院のテニス肘の整体についてご紹介していきます。

・構造面の問題を検査

全身の構造的な問題をチェックしていきます。

こちらの記事でお伝えしているように、肘以外の箇所もテニス肘を引き起こす原因のひとつとなるため、全身を細かく見ていく必要があります。

・筋反射のチェック

筋力検査をしている風景

腕周りの筋反射の状態をチェックしていきます。

「テニス肘改善のポイント【3選】」でもお伝えしたように、上肢の神経の状態も関連する問題のひとつであるため、詳しく検査していきます。

・全身の構造面への整体

全身への整体施術によるアプローチをおこないます。

・体液循環の調整

血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする、体液の循環を整えていきます。

回復を早めるために、肘周りの炎症物質や老廃物を排泄する効果も期待できます。

・自律神経へのアプローチ

自律神経調整の整体の様子

自律神経の調整をおこなっていきます。

身体の自然治癒力と自律神経は深い関わりを持つため、症状改善のためには重要な調整箇所のひとつとなります。

腕の症状を改善された方の声

当院の整体で腕の症状を改善された方の声をご紹介します。

【利用者様の声】首のヘルニア、腕のしびれ、肩こり(50代女性 I様)

※個人の感想です。全ての方に効果を保証するものではありません。


腕の痛みの患者様の声

(以下文字起こし)

〈お悩みの症状〉
腕の痛み

〈何回目の施術で変化を感じましたか?〉
3回目

【ご感想】
エステティシャンをしています。

1回目の緊急事態宣言で仕事が休みになりその後再開してからニノウデに痛みを感じるようになりました。

なかなか良くならない時に紹介いただき通わせていただくようになりました。

痛みの部分だけを見るのではなく、体全体の歪みなど間接的な原因を見つけていただき施術をしていただいています。

おかげさまでかなり楽になってきました。

また以前よりも翌日に疲れが残らないようになってきました。

これからも体のメンテナンスとして必要だと思い通わせていただきますのでよろしくお願いします。

T.K様 女性 エステティシャン


※個人の感想です。全ての方に効果を保証するものではありません。

まとめ

テニス肘の治療についてまとめていきます。

  • テニスをしてなくてもテニス肘になることがある
  • 手首や手指を伸ばす伸筋群が関連して起こる
  • 一般的な治療法は痛みの原因を取るものでは無い
  • 臨床的には神経・膜・腕以外の部位の問題も関連する
  • 痛みがなくなっても、原因自体は残っているケースがある


テニス肘をはじめとする上肢の痛みでお悩みの方は、臨床的にも非常に多いと感じています。

腕を使わずに生活することは難しいため、一度痛み始めるとなかなか良くならずにお困りの方もいらっしゃるかと思います。

しかし、こちらの記事でお伝えしているように、テニス肘には必ず原因があります。

また、その原因は痛んでいる肘以外の部分にも存在します。

あなたのこれまでのお身体のクセなど、全体の要素をしっかりと整えていきたいとお考えであれば、ぜひ一度ご相談くださいませ。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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