院長ブログ

食いしばり・歯ぎしりの整体|原因や対策を自律神経専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、食いしばり・歯ぎしりをはじめとする自律神経症状の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、自律神経症状専門の整体師である私の経験をもとに、食いしばり・歯ぎしりの原因や対策、当院での整体による治療についてお話ししていきたいと思います。

食いしばり・歯ぎしりの症状について

咬筋の整体施術の風景

食いしばり・歯ぎしりの症状についてご紹介していきます。

臨床上よくある症状の一例としては、

  • 気づけばアゴに力が入っている
  • 以前から食いしばりが気になっている
  • 集中している時にグッと噛み締めるクセがある
  • 歯医者で奥歯がすり減っていると言われた
  • いつも上下の歯が触れ合っている
  • 歯ぎしりのせいか、寝起きにアゴが疲れている
  • 熟睡感がなく、寝ても疲れがとれない
  • エラが張っているのが気になる
  • 家族に就寝時の歯ぎしりを指摘される
  • 肩や首に力が入ってリラックスできていない
  • ストレスが溜まるとよく頭痛を感じる


などのものが挙げられます。

食いしばり・歯ぎしりには他にもいろんな症状があり、表現の仕方は違えど上記と似たようなお悩みを抱えている方がたくさんいらっしゃいます。

食いしばりや歯ぎしりを抱えていても、気にならないような方もいるかもしれませんが、慢性的にその状況が続くことで様々な問題を引き起こすケースもあります。

例えば、上記にあるような肩こり・頭痛・慢性疲労・歯の問題などです。

「ただのクセ」と片付けるのではなく、それらの症状が起きている原因や対策を知ることで、食いしばり・歯ぎしりの症状は改善に導くことができると考えます。

食いしばり・歯ぎしりの原因

食いしばり・歯ぎしりの原因についてお伝えしていきます。

一般的に言われる原因としては、

  • 噛み合わせや詰め物の不具合
  • スポーツなどでの日常的な食いしばり
  • ストレスによるもの
  • 歯の生え変わりに伴うもの(子供)


などが挙げられます。

それぞれ解説していきましょう。

噛み合わせや詰め物の不具合

噛み合わせのイメージ図

もともと歯の噛み合わせが悪かったり、詰め物などの高さが合っていないケースなどで噛み締めや食いしばりが起こるケースがあります。

詰め物の問題については、歯科医院などの専門機関で治療をおこなうことが望ましいです。

噛み合わせについては、身体の重心や幼少期からのクセ、呼吸の問題など、歯以外の問題も大きく関わってきます。

そのため、歯列矯正などで噛み合わせを整えたからといって、すぐに食いしばり・歯ぎしりが改善されるかといえば、必ずしもそうではありません。

スポーツなどでの日常的な食いしばり

普段からの食いしばりによって、症状が誘発されているケースがあります。

例えば、大きなパワーを使う競技やハードなトレーニングを繰り返しおこなっていると、それがきっかけで噛み締めや食いしばりのクセが起こります。

スポーツ以外にも、仕事で重いものを繰り返し運ぶ、集中力を必要とする作業が多いなど、それぞれ力や負担が加わることで食いしばりや歯ぎしりの原因になると考えられています。

ストレスによるもの

過度なストレスも、食いしばりや歯ぎしりの原因となります。

一説には、ストレスに対応するため、または脳に血液(酸素)を送るために、噛み締めや食いしばりをしているとも言われています。

自分の許容範囲を超えるストレスを抱えたり、ストレスに対して負けやすい身体の状態である場合は、特に食いしばりや歯ぎしりを起こしやすいと考えられます。

歯の生え変わりに伴うもの(子供)

子供に限定していえば、歯の生え変わり時期に起きることがあります。

歯が生えてくる際の独特な違和感や不快感が発端となり、食いしばり・歯ぎしりの原因となると言われています。

アゴ周りの構造について【図解】

顔や頭の神経解剖図
【プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖第3版より引用、編集】

食いしばりや歯ぎしりに関わる、アゴ周りの構造について解説していきます。

アゴ周りにはたくさんの血管・神経・膜などの組織が存在しています。

咀嚼の際に主に使われる咬筋(こうきん)は、これらの神経や血管によって栄養されています。

また、上のイラストを見てわかる通り、様々な組織が入り組んで配置されているため、単純にアゴ周りの筋肉をほぐせばそれで食いしばりや歯ぎしりの症状がなくなるかと言われればそうではありません。

あくまでも、食いしばりをはじめとする、噛み締めに関わる筋肉に力が入ってしまう原因を見つけていく必要があります。

これらアゴ周りの問題はもちろんのこと、全体の身体のバランスに着目して治療をおこなうことが重要です。

「食いしばり=悪」ではない

問診をしている様子

逆説的なお話になりますが、食いしばったり噛み締めたりすること自体が悪いことではない、ということも知っておいて下さい。

なぜなら、「必要があって食いしばっている」という捉え方もできるからです。

例えば、野球のメジャーリーグでは、プレー中にガムを噛んでいる選手が多いです。

あれは、「噛む」という行為を通して心身をリラックスさせ、パフォーマンスを上げるための一つの方法だと言われています。

よく噛んで食べると脳が刺激される、という話を聞いたことがあるかと思いますが、それも同じように唾液を分泌したりリラックスしたりすることにつながってきます。

噛んでアゴの筋肉を使うことでポンプ作用が起こり、脳に血液を送っていると言われることもあります。

ストレスによって食いしばり・歯ぎしりが起こるということは、それによってストレスに適応していこうとしている自然な反応だったりするのです。

そのため、根本的な対策のひとつとしては、そのストレス・緊張状態が緩和できなくなった身体の内部環境を改善していく必要があると言えます。

食いしばり・歯ぎしりの対策

食いしばりや歯ぎしりの対策についてご紹介していきます。

一般的に言われている対策としては、

  • マウスピース
  • ストレスを溜めない
  • 歯科治療
  • ボトックス療法


などが挙げられます。

マウスピース〜歯科治療まではポピュラーな対策として知られているかと思います。 

ボトックス療法では、食いしばりや歯ぎしりの原因となる咬筋の肥大や緊張を緩めるため、局所に対して注射をおこないます。

個人差はありますが、それによる緊張緩和の効果は3〜6ヶ月ほど続くと言われています。

【注意】間違ったセルフケアの方法

頭蓋骨の骨模型

食いしばりや歯ぎしりに対する、間違ったセルフケアの方法についてお伝えします。

アゴ周りの筋肉をグリグリと押さえて揉む

実はこれ、間違ったケアの方法です。

なぜなら、身体の組織は非常にデリケートであるため、強く押さえることで余計に硬くなったり、微細な傷をつけてしまうことにもつながるからです。

また、アゴ周りの緊張は筋肉そのものの問題によって起きているとは限らず、その筋肉を支配する神経や関節などの問題が複雑に関連して起こります。

その場合、いくらアゴ周りの筋肉を揉んだとしても、一向に変化は見込めません。

それは整体などの施術の際も同じことで、受け手が痛みを伴うようなレベルで強く押さえてしまうと、その時点で逆効果になってしまいます。

自分でするにしても人にしてもらうにしても、強く押さえないということがとても重要となります。

当院での食いしばりの捉え方

患者さんへのヒアリング風景

当院での、食いしばりや歯ぎしりに対する捉え方についてお伝えしていきます。

「食いしばり=悪」ではない、の項目でもお伝えした通り、ストレスなどに対抗するために、必要があって噛み締めていることも実際にあります。

しかし、当院ではそれ以外の余計な噛み締めについては排除できると考えています。

余計な噛み締めとは、

自律神経の問題によって起きる噛み締め のことです。

もう少し砕いて説明します。

例えば、緊張する場面などで、肩や首に自然と力が入ってしまうことがありますよね?

あの現象は自律神経の働きによるものですが、そもそも自律神経の乱れを抱えているケースでは、筋肉に力が入りやすい状態になっているのです。

  • リラックスできる時にも、緊張したり力が入る
  • 身体のスイッチがなかなかオフに切り替わらない


それと同じように、歯ぎしりや食いしばりにも自律神経が関わります。

自律神経を正常なバランスに整えておくことで、必要以上に噛み締めたり、力が入ってしまうことを避けることができるのです。

そのあたりの問題を整体施術によって調整していくことで、現在感じている噛み締めなどの症状は十分軽減できると私は考えます。

当院の食いしばりの整体

当院での食いしばりや歯ぎしりの整体についてご紹介していきます。

・構造面のチェック

肩関節の検査をしている様子

身体の構造的な歪みや硬さのチェックをおこないます。

症状に関連する首や肩をはじめ、全身の問題について詳しく調べていきます。

・神経学的検査

脳神経の検査をしている様子

脳神経に関連する検査をおこなっていきます。

関節の位置感覚や筋肉の反射など、食いしばりや歯ぎしりにも関連する反応をチェックしていきます。

・背骨の調整

背骨の骨格調整の様子

背骨と自律神経(特に交感神経)は、お互いに関連し合う部位です。

ほとんどの方が、交感神経優位で興奮状態にあるケースが多いため、まずはその興奮を鎮めるために背骨の歪みや硬さを取り除いていきます。

・全身の構造の調整

足の整体をしている風景

背骨を整えた後は、そのほかの箇所に問題がないのかをチェックしていきます。

アゴ周りなどの局所だけでなく、重心のズレや各部位の硬さが食いしばりの原因ともなるため、全身の構造面の問題を頭から足先まで細かくチェックしていきます。

・アゴ周りの調整

アゴ周りの整体の様子

全身の問題を整えた上で、噛み締めている局所の問題にもアプローチをおこないます。

噛む時に力の入る筋肉から顎関節、耳周りまで、どこで余計な硬さが出ているのかを見つけていきます。

(※アゴ周り以外の箇所からの影響によるケースでは、アゴ周り自体をたくさん触る必要がないこともあります。)

・仙骨、頭蓋骨の調整

頭部の整体施術をしている様子

仙骨と頭蓋骨は、自律神経の中でも特に副交感神経と深い関連があります。

施術によって深いリラックス状態に入り、自己治癒力が高まる理想的な状態に近づけていきます。(ほとんどの方が寝てしまいます)

何も考えない時間も大切に

何も考えていない時間を作ることも、食いしばりや歯ぎしり改善に効果を発揮します。

私たちが一番リラックスできるのは、「楽しい時」でもなければ「好きなことをしてる時」でもない。

「何も考えていない時」

だと私は思います。

楽しい時でも好きなことをしてる時でも、潜在的に将来の不安ややらなくてはいけないことが頭にあると、本当にリラックスした状態とは言えないのではないでしょうか?

何も考えずにスヤスヤ寝ている状態では、不安にも不幸にもなれませんよね?(悪夢を見てる時はまた別として)

文明の発展に伴った便利すぎる生活も影響して、私たちは常に何かをしたり考えたりして生きています。

自律神経が身体の機能を調整してくれているように、私たち自身でもそこの帳尻を合わせる習慣は必要です。

私の場合は、もっぱら瞑想をして 何も考えない無の状態 になる時間を作るようにしています。

整体の施術をする時にも、自分自身が雑念のないきれいな状態でなければ、決して良い治療はできません。

そのため、私は毎朝必ず瞑想をして、ニュートラルな自分にしておくように常に準備をしています。

瞑想したり、自然のなかで解放されたり、土に触れたり、何でも良いと思います。

他にもたくさん方法がありますので、知りたい方はいつでもご相談くださいね。

まとめ

食いしばり・歯ぎしりの整体についてまとめていきます。

  • 食いしばりには生活習慣やストレスが関わる
  • 食いしばること自体が悪いわけではない
  • 余計な緊張による噛み締めが治療対象となる
  • 自律神経の問題へのアプローチが効果的
  • 何も考えない時間を作ることもひとつの対策


食いしばりや歯ぎしりは、その症状自体は非常にありふれていて、私たちの生活の中でよく起こり得ることです。

しかし、その症状の裏では身体のどこかに問題が起きていたり、様々な原因が絡むことで今の状態が作られています。

また、こちらの記事でもお伝えしているように、食いしばりに関わる筋肉や神経・関節の状態まで整えなければ、根本的な改善は難しいと考えられます。

「一般的な治療法を試したけどなかなか良くならない」

そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

関連記事

◇顎関節症の治し方
◇エラの張りの改善法
◇肩こりの改善方法について
◇首こり・首痛の改善方法
◇肩首に力が入る症状の改善法
◇自律神経失調症の改善方法
◇慢性疲労症候群の治し方
◇不眠症の改善について
◇不安神経症の治し方
◇眼精疲労・ドライアイの改善法
◇ストレートネックの治し方
◇背中の痛み・張りの改善方法
◇寝違いの治し方
◇緊張型頭痛の治し方
◇片頭痛の改善法について

乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。