こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。
私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、冷え性をはじめとする慢性的な症状の施術現場に携わってきました。
今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、冷え性の原因や治し方・当院での冷え性の整体についてお話ししていきたいと思います。
冷え性の症状について
冷え性の症状について、臨床的によくご相談いただくものをご紹介します。
- 万年冷え性で手足が冷たいのが当たり前の状態
- 下半身がよく冷える、痩せにくい
- 寝床に入っても冷えで寝つきづらい時がある
- 肌が荒れやすい、乾燥しやすい
- しもやけやあかぎれができやすい
- お風呂で温めてもすぐに冷えてくる
- 人と手が触れ合う時に冷たくてびっくりされる
これらが、冷え性に悩まれる方がよく訴えられる症状の一覧です。
冷え性に悩まれている方の数はかなり多くいらっしゃいます。
あるデータによると、男性の4割・女性の8割が冷え性を感じているというものもあります。
病院によっては”冷え性外来”というものが設置されていることも。
それだけ悩まれている方が多いということですね。
最初に断言しておきますが、冷え性は身体を 温めるだけでは改善されない ことがほとんどです。
冷え性を引き起こしている原因は何なのか、それを明らかにした上で対処していくことが必要です。
冷え症の原因について
冷え性の原因について解説していきます。
一般的には
- 運動不足
- 食生活の乱れ
- ストレス
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの変化
などが冷え性の原因と言われています。
冷え性は、基礎疾患を持っているなどの要因を除けば、ほとんどの場合は生活習慣が関連して起こります。
もちろん、長期間にわたって寒いところで作業を行なった、というような外部環境の要因も可能性はあります。
ただし、体温を保つための機能は自分の身体の中にあるため、それらの体温調節の機能低下については、身体の原因部位を特定し調整していく必要があります。
病院での冷え性に対する処置
病院での冷え性への対処についてお伝えしていきます。
病院では、主に漢方薬を処方されます。
冷え性の際に使われる漢方としては、
- 六君子湯(リックンシトウ)
- 大建中湯(ダイケンチュウトウ)
- 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
- 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)
- 桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)
- 加味逍遙散(カミショウヨウサン)
- 呉茱萸湯(ゴシュユトウ)
などが挙げられます。
そもそも、冷え性のみで病院を受診しようとする方はあまり多くないのかもしれません。
また、病院によっては冷え性自体は病気ではないため、明確な対処が難しいと言われるケースも。
冷え性を分解して考える
冷え性のメカニズムについて、分解して解説していきます。
そもそも冷え症とは、
- 体温の感じ方
- 体温の調節機能
が大きく関連します。
体温の調節や感覚などをつかさどっているのは、脳にある視床下部(ししょうかぶ)というところです。
視床下部は自律神経の最高中枢であり、例えば「おーい、身体が冷えてきたから体温を上げてくれ〜」と命令を出し、自律神経を介して血管を広げたり縮めたりしながら体温を調節してくれます。
こちらで詳しく解説しています→◇自律神経失調症の治し方
もしも、この自律神経の通り道や命令を出す視床下部の周辺環境に問題があれば、いくら身体を温めようとも冷え性は改善されないことが考えられます。
つまり、自律神経の調整と視床下部がおさまっている頭部の調整が冷え性改善のポイントとなります。
なぜ整体で冷え性が良くなるのか?
整体で冷え性が良くなる理由についてお話ししていきます。
大きな要素としては、自律神経や視床下部周辺などの環境を整えることができるからです。
先述のように、体温調節は視床下部をはじめとする中枢で管理されており、それを身体と中継するのが自律神経の働きです。
冷え性や体温調節に関わる部位へのアプローチを行うには、整体などの施術が効果的であると考えます。
また、視床下部などの中枢に限らず、身体の中での硬くて動かないところは様々な不調のきっかけとなるため、全身の問題点に対して調整可能な手技が効果を発揮することでしょう。
よくあるご質問(冷え性編)
冷え性でお悩みの方からよくいただくご質問について、私の見解も交えて解説していきます。
お白湯を飲んでいるのですが?
冷え性の場合のお白湯についてご説明していきます。
冷え性の方からよく「お白湯を飲むようにしています」というお話をよく聞きますが、残念ながらそれだけで冷え性を改善するのは難しいと考えます。
むしろ、逆効果になることも。
先ほど、体温調節に関わる視床下部のお話が出てきましたね。
お白湯を飲んで外部からの熱によって身体を温めるということは、「お、温かくなったぞ。じゃあ今は自発的に身体を温めなくても大丈夫だな」と視床下部が判断してしまうのです。
では、寒い環境にいたり冷たいものをたくさん摂れば身体を温める機能が高まるのか、と言われればそんな単純な話ではありません。
調節する中枢の問題など、身体に起きている冷え性の原因にアプローチしない限りは改善は困難です。
それらを踏まえた上で、冷え性の場合の水分摂取では常温のものが適切だと考えます。
話をまとめると、
お白湯については、一時的に身体を温めるという視点では正解、冷え性を改善する目的としては効果は少ないと考えます。
寝る時にくつ下を履いた方が良い?
足の冷えを気にされている方から、寝る際のくつ下についてよくご質問を受けます。
靴下に関しては、睡眠の質などの要素も関連します。
入眠困難などが特になく、睡眠がうまくとれているのであれば、体温調節のしやすさや睡眠の質の観点からくつ下は不要であると考えます。
上記のお白湯のところでもお話ししましたが、 「温める=冷え性改善」ではない ということです。
しかし、冬場の時期でなかなか足元が温まらず、入眠することが難しい場合などは、くつ下を着用することによって体温調節がスムーズになり寝つきやすくなったりもします。
不用意に身体を冷やすのは良くありませんが、睡眠の質なども踏まえた上で就寝時のくつ下にこだわる必要はないと思います。
当院での冷え性の整体
当院での冷え性の整体の流れについてご紹介していきます。
・構造面の問題のチェック
まずは構造面の問題を把握し、冷え性の原因となる部位をチェックしていきます。
冷え性との関連が深い自律神経は背骨にも通っているため、写真のように背部の検査も入念に行います。
・脳神経の検査
冷え性は視床下部や自律神経などの脳神経が関連しています。
↑こちらの検査では、身体の位置感覚や神経系に問題がないかをチェックしています。
そうは言っても、いきなり「脳神経」と言われると、少し構えてしまうかもしれませんね。
しかし、脳神経のトラブルは誰にでも起こることです。
身近なところでいえば「最近よくつまづく」みたいなことも一種の神経的なトラブルと言えます。
脳神経の状態は、冷え性にも関連する大切なものです。
・構造面への整体
身体の歪みや硬さに対して、整体でアプローチしていきます。
末端冷え性だから手や足の筋肉をほぐしたり、血行を促進するという考えではありません。
先述のように、体温を調節する中枢や身体の背骨に通っている自律神経などを調整していきます。
・体液循環の調整
冷え性に関連する体液循環を整えていきます。
血液はもちろんのこと、リンパ液・脳脊髄液(CSF)など様々な体液系に働きかけていきます。
・頭蓋骨(自律神経)の調整
自律神経の中枢である視床下部は頭の中に存在します。
もちろん直接脳を触ることはできませんが、脳を取り囲む構造体である頭蓋骨の調整を行うことで、自律神経の状態を整えることが可能です。
頭蓋骨の中でも、蝶形骨(ちょうけいこつ)という骨は視床下部と密接に関わります。
(↑ちょうどこめかみの辺り。ペンで示している黄色のエリアが蝶形骨です。)
当院でのあたまの整体は優しく包み込むような施術です。
副交感神経に働きかけるため、ほとんどの方が眠ってしまわれるほどです。
・日常生活でのアドバイス
冷え性改善のためには生活習慣の見直しが重要です。
少しずつでも変えていけるよう、あなたのライフスタイルに合ったアドバイスをさせていただきます。
まとめ
冷え性の整体についてまとめていきます。
- 冷え性は男性4割・女性8割が感じている
- 病院では主に漢方による治療が行われる
- 冷え性には視床下部・自律神経が関連する
- 温めるだけでは冷え性は改善しない
- 全身の調整によって冷え性を改善していく
冷え性自体は病気ではないため、なかなか辛さを分かってもらえず、辛い思いをされている方も多いことでしょう。
もちろん、体質的な要素で冷え性になっている人もいるかもしれませんが、実際に身体で起きている問題を整えることでその症状を緩和することは十分可能です。
慢性的な冷え性でお悩みの方は一度ご相談いただければと思います。
*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉
【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】
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