こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。
私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、四十肩・五十肩をはじめとする重度の痛みの施術現場に携わってきました。
今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、四十肩・五十肩の原因や当院での整体についてお話ししていきたいと思います。
四十肩・五十肩の症状について
四十肩・五十肩の症状についてご紹介していきます。
- 肩が上がらず手を上に伸ばせない
- 肩の痛みのせいで服を着づらい
- 痛みで手を背中の方に回せない
- 夜になると肩が疼いて寝られない
- 肩が痛くて、腕の位置のおさまりが悪い
- ある一定の角度になると肩がズキっと痛む
これらは四十肩・五十肩でお悩みの方がよく訴えられる症状の一覧です。
服の着脱や物を取る際など、生活の些細な場面で肩の痛みを感じることが多いのが特徴です。
また、ひどい場合は肩が全然上がらなくなり、日常動作でほとんど使い物にならなくなるケースもあります。
肩や腕を自由に動かせなくなるだけで、生活するのにかなり支障が出てしまいますよね。
しかし、四十肩・五十肩が起こっているのにも必ず原因があるはずです。
四十肩・五十肩の治療では、肩だけでなく全体のバランスを整えることが重要です。
四十肩・五十肩について
四十肩・五十肩とは、何らかの原因によって肩関節周辺に炎症が起き、肩関節の動きが悪くなったり痛みを発したりするものです。
発症する年齢によって、四十肩や五十肩と呼び方が分かれています。
冒頭でご説明した通り、上にあるものを取る時に肩が痛んだり、服を着る際に手が後ろに回らなかったり、日常生活の動作に支障が出ることが特徴の一つです。
また、急性期・拘縮期・回復期と3つの時期に分かれます。
【急性期】
痛みが主症状の時期。
軽めの痛みから始まり、徐々に痛みが強くなり動作時はもちろんのこと、就寝時にも疼くように痛むケースがあります。
【拘縮期】
痛みよりも可動域制限が主症状になる時期です。
関節がどんどん固まるような状態になり、以前は動かせていた範囲まで肩が動かなくなります。
【回復期】
少しずつ痛みや関節の動きが回復していく時期です。
利き腕かどうかに関わらず、どちらか一方の肩に発症することが多く、時間差でもう一方の肩にも出てしまうケースもあります。
四十肩・五十肩の原因
四十肩・五十肩の原因についてお伝えしていきます。
一般的に言われている原因のひとつに「加齢」が挙げられます。
加齢によって肩関節の周辺組織(骨、軟骨、腱、靭帯)が硬くなることで炎症(または癒着)の引き金となり、四十肩・五十肩になると言われているのです。
しかしながら、四十肩・五十肩の発生機序には個人差があり、原因を断定することは簡単ではありません。
また、肩だけが原因で起きるわけではなく、身体全体のバランスが関連してくるため、幅広い視野で原因と向き合うことが大切です。
病院での診断について
四十肩・五十肩における病院での検査では、
主に、
- レントゲン
- MRI
- 超音波
- 関節造影剤検査
などが用いられます。
目的としては、痛みや可動域制限の出ている箇所の状態を確認するためにおこなわれます。
また、四十肩・五十肩以外の疾患などとの除外・鑑別もおこないます。
一例としては、
- 腱板損傷
- 神経性疼痛
- 頸椎疾患
- 内臓由来の痛み
などです。
その他にも、四十肩・五十肩と似た肩の症状を訴えるものも数多くあるため、病院においては様々な疾患の可能性を考慮した上で検査がおこなわれます。
一般的な治療法について
四十肩・五十肩の一般的な治療法についてご紹介していきます。
一例としては、
- 安静にする
- 湿布を貼る
- 痛み止めの服用
- 局所への消炎鎮痛の注射
- 運動療法などのリハビリ
- 身体を温める温熱療法
などのものが挙げられます。
急性の激しい痛みを取り除く場合には、痛み止めの服用や消炎鎮痛の注射などが選択されることが多いです。
慢性期に移行する時期では、運動療法などをおこなって関節の動きが悪くならないようにケアをし、日常生活での動作の改善に取り組みます。
臨床でよくある四十肩・五十肩の原因
私の整体施術の臨床でよく見かける、四十肩・五十肩の原因箇所や共通点について解説していきたいと思います。
腕から手にかけての問題
四十肩・五十肩でお悩みの場合、腕から手にかけての問題を抱えているケースが多いです。
私たちの上肢(腕)は、肩を支点にぶら下がるような構造になっています。
そのため、腕や手に動きの制限、硬さ、循環不良(むくみ)などが起きていたとすると、ぶら下がっている支点となる肩に負担がかかることになります。
通常、このように問題が発生している箇所は質量的にも重たくなってしまうので、支えるのが大変な状態となってしまいます。
また、日常生活では手を使う機会も多く、長時間のパソコンやその他の作業、使い方のクセなどによって特に酷使されやすい部位です。
その中でも特に問題が起こりやすいのが、手にある手根骨(しゅこんこつ)です。
臨床では、上の図で示した細かい骨の一部が、歪んだり硬くなったりしているケースがあります。
当院では、これらの骨や関節の状態についても、細かくチェックをして整えていきます。
四十肩・五十肩に限らず、肩の痛みを訴えるケースのほとんどは、腕から手にかけての何らかの問題を抱えていると感じています。
背骨の問題
背骨の関節の動きも、四十肩・五十肩の症状に大きく関連します。
なぜなら、肩を挙げる動作は、肩だけでなく背骨が連動することでスムーズに起こるからです。
試しに、背筋を伸ばした状態で自ら肩を横から上げてみてください。(↓イメージ)
次に、極端に背中を丸めた猫背の状態で、真横から肩を挙げてみてください。
恐らく、背中を丸めた状態だと肩がかなり挙げづらくなったのではないでしょうか?
それほど、背骨の状態は肩の動きに関わってくるのです。
背骨は椎骨がひとつずつ積み重なることで形成されており、その間にはそれぞれ関節が存在します。
それらの関節に歪みがなく、柔軟性に富んで肩とうまく連動している状態が理想的です。
当院では、四十肩・五十肩に関連する、背骨の状態にも注目してアプローチしていきます。
鎖骨や前胸部の緊張
鎖骨や前胸部の緊張は、四十肩・五十肩でよく見かけるパターンです。
鎖骨については、肩を挙上する際に働く胸鎖(きょうさ)関節・肩鎖(けんさ)関節を構成しているほか、肩周辺にある靭帯組織ともつながりを持つため、四十肩・五十肩の整体では重要なポイントとなります。
また、前胸部の筋肉や膜組織の問題によって、肩の上がりが悪くなっているケースも多く、そちらもあわせてチェックする必要があります。
例えば、着ているシャツなどの一部をつまんで下に引っ張ると、突っ張ってしまい窮屈な状態になりますよね?
イメージ的にはそれと同じような感じで、肩の近くにある組織の緊張やひきつりによって可動域が制限される現象が起こります。
そのあたりの制限を解除することによって、四十肩・五十肩の症状が回復していくことがあります。
後頭部付近の問題
後頭部付近の問題が、四十肩・五十肩に関連していることがよくあります。
これについては、後頭部周辺と首・肩周りの神経的なつながりが関わっていると考えられます。
後頭部周辺からは、全身を栄養したり指令を送ったりする重要な神経が出ているため、そのあたりの歪み・硬さによって正常な神経伝達が邪魔されているケースがあるのです。
また、肩の主要な筋肉である僧帽筋などは、後頭部付近から出てくる副神経という神経によって栄養されています。
そのため、肩自体に問題がなくても、栄養する神経などの状態によっては四十肩・五十肩のような症状が起こることがあります。
このような肩との神経的なつながりから見ても、後頭部付近の問題は治療ポイントのひとつになると考えます。
肩上げ動作自体のエラー
肩の痛みや関節可動域の制限によって、自然な肩の挙げ方を一時的に身体が忘れているケースがあります。
肩を挙げる際には上にあるものを取ったりすることが多く、その際には 手で何かを掴み取りにいく のが自然な動きとなります。
なので、本来は手が先頭に立ち、肩がそれに追随するように挙げるのが理想なのですが、痛みや動きが悪くなっていることを認識してしまっている方はそうはいきません。
↑感覚的に肩が動かないことを脳が覚えてしまっているので、手からではなく肩から挙げにいこうとしてしまうケースが多いのです。
試しにやってみてください。
上の写真のように肩を上げようとして上の物を取りに行くのと、手先に全ての意識を集中させて取りに行くのと、どちらがスムーズに動かせすか?
手を主体にして物を取りに行ったほうが、肩もスムーズに動きますよね?
そのような身体の使い方のトラブルについても、四十肩・五十肩の治療では修正していく必要があります。
当院での肩関節へのアプローチ方法
四十肩・五十肩を治療する際の、肩関節へのアプローチ方法について解説していきます。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は文字通り、肩関節の周囲に炎症が起きている状態ですが、急性の炎症がおさまった後の局所は組織が硬くなってしまいます。(拘縮期)
もちろん、肩以外の問題も解消しておく必要はありますが、肩関節自体の問題も解決していかなくてはなりません。
その際に重要になってくるのは、操作する時の方向や角度。
下の写真で示しているように、肩関節は上腕骨の凸になった面と肩甲骨の凹になった面が噛み合うような構造になっています。
そして、肩を挙上する際には、この関節がなめらかに滑るようにして動きます。
施術の際に、無理にそのまま腕を持ち上げるようにしてしまうと、関節のかみ合っている部分同士がぶつかってしまい上手く動かなくなります。
そのため、治療する際のポイントとしては、まずは足元の方向に下げて(牽引をかけて)、関節どうしを引き離しながら腕を持ち挙げていくということが重要です。
上の図のように、上腕骨を一旦下に下げてから、
肩を上に挙げる。
腕や肩を無理に持ち上げても、構造上うまく滑ってくれず動きにくくなるため、間違った扱い方をしてしまうと治療すること自体が状態を悪化させることにもつながります。
四十肩・五十肩の整体をする際、これらの要素を意識しておこなうことで施術の効果にかなりの差が出ます。
当院の四十肩・五十肩の整体
当院の四十肩・五十肩の整体の流れについてご説明していきます。
・構造面の検査
肩をはじめとする、全身の構造面の問題について検査をおこないます。
四十肩・五十肩では、肩以外の問題も症状に大きく関連するため、全身をチェックすることで改善に必要な部分が見えてきます。
・神経学的検査
関節の位置感覚や筋肉の反射のテストを行っていきます。
慢性的な症状であればあるほど、そもそもの身体の感覚神経のトラブルが起きている可能性があります。
この検査も、症状改善のためには必要な要素のひとつです。
・身体の歪みの矯正
整体施術によって全体の歪みを整えていきます。
四十肩・五十肩の症状が改善しやすい身体の土台を作っていきます。
・肩周りの調整
肩関節や肩甲骨などの調整をおこなっていきます。
当記事の「肩関節へのアプローチ方法」でもご紹介したように、関節がなめらかに動くようにやさしく調整していきます。
・体液循環の調整
血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)をはじめとする、体液循環の調整をおこなっていきます。
肩関節を滑らかに動かすためには、身体の体液の状態も大きく関連するため、重要なアプローチのひとつです。
・自律神経の調整
自律神経の調整をおこなっていきます。
身体の歪みがあるということは、自律神経の状態にも問題が及んでいるということ。
自律神経の状態を整えておくことで、身体の治癒力を最大限発揮していきます。
よくなるまでの回数について
四十肩・五十肩の改善までの施術回数には、大きな個人差があります。
なぜなら、発症してからの経過時間や拘縮の程度、もともとのお身体の状態などが人によって様々だからです。
四十肩・五十肩と診断されたが、実際は肩自体の問題よりも他の問題が大きく、原因の箇所を調整するとすぐによくなってしまうケースもあります。
中には、肩関節の癒着がひどく10〜20回以上(半年〜1年)かかるケースまで、本当に様々です。
しかし、ひとつだけ言えることは 四十肩・五十肩には必ず原因がある ということ。
さらに、こちらの記事でもお伝えしているように、肩以外の問題も大きく関わります。
当院ではそれらの原因を早期に見つけ出し、1日でも早くあなたの生活の辛さを取り除けるように整体施術をおこなっていきます。
まとめ
四十肩・五十肩の整体についてまとめていきます。
- 四十肩・五十肩には急性・拘縮・回復期がある
- 一般的な治療では保存療法がメインとなる
- 肩関節の構造を理解した上での整体が有効
- 肩以外の問題も四十肩・五十肩に大きく関連
- 状態によって施術回数は個人差がある
重度の四十肩・五十肩では、普通の生活もままならないほど不便な状態に陥ることがあります。
こちらの記事でもお伝えしているように、四十肩・五十肩には必ず原因があるはずです。
そしてその原因は、肩だけにあるとは限りません。
その問題について早期に対処することで、四十肩・五十肩の症状改善までの期間は大きく変わってきます。
肩の痛みでお悩みの方は一度ご相談いただければと思います。
*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉
【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】
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