院長ブログ

足底筋膜炎の整体|原因や治し方について慢性症状専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、足底筋膜炎をはじめとする慢性的な痛みの施術現場に携わってきました。

今回の記事では、慢性症状専門の整体師である私の経験をもとに、足底筋膜炎の原因や当院の整体による治し方などについてお話ししていきたいと思います。

足底筋膜炎の症状

足の骨模型

足底筋膜炎の症状についてお伝えしていきます。

臨床上、足底筋膜炎の方がよく訴える症状としては、

  • 起床後の一歩目に足裏が痛む
  • 座っている姿勢からの歩き始めが痛い
  • かかとの辺りがよく痛む
  • ランニングなどの運動後に足裏が痛くなる
  • 足首や足の関節が硬い感じがする
  • スポーツなどで足裏に体重をかけることが多い
  • 履く靴によっては足裏が痛くなることがある


などのものが挙げられます。

足底筋膜炎では、足裏のアーチ構造を支える足底筋膜に微細な損傷・炎症が起こり、上記のような痛みを引き起こします。

歩き疲れた日など、よく足を使った際に足裏が辛くなることは誰にでもありますし、その後ゆっくり休めば回復しているのが普通ですよね。

しかし、一度足底筋膜炎になってしまうと、自然に回復していかないケースが少なくありません。

足底筋膜炎の原因は人によって様々であるため、その人にとっての根本原因を見つけ出してアプローチすることが重要です。

足底筋膜炎の原因

足底筋膜炎の原因について解説していきます。

足底筋膜炎は、足裏の構造を支えている膜組織に炎症が起きることで、痛み症状を引き起こしている病態のことを指しています。

一般的に言われている原因としては、

  • 扁平足
  • 使い過ぎ(オーバーユース)
  • 土踏まずのハイアーチ
  • 硬い床での立ち仕事
  • 骨棘
  • 肥満

などのものが挙げられます。

主にスポーツの負荷に伴って起こることが多く、ランナーやバレエダンサーなど、足周りの負荷が大きいスポーツをしていれば誰にでも起こる可能性があります。

足裏に圧迫・牽引などの衝撃がくり返し加わることで起こりますが、日常で足裏を完全に休めることは難しいため、一度なってしまうとなかなか治りにくく厄介なものです。

足底筋膜とは?【図解】

足底筋膜の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

足底筋膜について解説していきます。

足底筋膜は、上のイラストのような膜組織として足裏に存在しています。

足底筋膜は足底部のクッション材として重要な働きを持っています。

私たちの身体には足裏に限らず、「結合組織」という膜状の組織によって全身が覆われています。

分布している層によって、筋膜や腱膜(けんまく)と呼ばれたりもしますが、呼び名が異なるだけで同じような組織で構成されているものです。

実際に解剖して見てみると、イラストのようなハッキリと見えるようなものではなく、ほとんど水に近いようなものであるようです。

一般的な対処法

足底筋膜炎の対処法についてご紹介していきます。

一般的に多いものとしては、

  • 安静にする
  • インソール
  • テーピング
  • ストレッチ
  • 電気・超音波治療
  • 痛み止めの薬
  • 湿布


などのものがあります。

これらは基本的に、局所(足底部)に対して行われるものがほとんどです。

しかし、足裏が痛むからといって、必ずしも局所に原因があるとは限りません。

もしも、炎症が起きている原因が足裏自体にはない場合、これらの対処法だけでは改善しないケースが多いと考えられます。

【注意】間違ったケアの仕方

足底筋膜炎における間違ったケアの仕方についてお伝えしていきます。

それは、足裏を グリグリ押さえたり、無理にストレッチをかける ことです。

一般的な足底筋膜炎のセルフケアとして、テニスボールやゴルフボール・竹踏みなどを利用して、足底筋膜に対してストレッチを加える方法があります。

しかし、筋膜に損傷や炎症が起きている状態で押さえたりストレッチを加えると、余計に状態が悪化してしまう可能性があります。

強い力を用いておこなう場合には、なおさらリスクが増えます。

また、足底筋膜炎の原因は足裏だけにあるとは限らず、他に問題があるにも関わらず局所ばかりに刺激を入れても、よくならないことがほとんどです。

痛む箇所を押さえたくなる気持ちは分かりますが、強い力でおこなうセルフケアでは注意が必要となります。

臨床でよくある足底筋膜炎の原因

私の臨床経験を踏まえて、足底筋膜炎の方が抱えている原因について解説していきます。

足根骨の問題

足根骨の骨模型

足根骨の問題によって足底筋膜炎を引き起こしているケースがあります。

足根骨とは、写真で示した足の根本にある細かい骨のことです。

これらの一部が硬くなったり、動きの制限が起こることで症状を引き起こす一因となります。

足根骨の関節は、肩などの関節のように大きく動くわけではないのですが、そのわずかな動きが制限されるだけで足だけでなく全身の問題として影響します。

このあたりの関節にズレや硬さがないのかをチェックしていき、あなたにとってのニュートラルな状態に整えていきます。

背面の緊張や制限

骨格矯正をしている様子

身体の背面の緊張や制限によって、足底筋膜炎を引き起こすことがあります。

「足底筋膜とは?【図解】」でもお伝えしましたが、私たちの身体は全身が膜の組織で覆われています。

その膜組織のつながりで見た時に、身体の背面(首からアキレス腱まで全体)と足底部は大きく関連し合います。

着ている服の袖を下に引っ張ると、引っ張られている部分だけでなくその延長線上にある肩口の方まで一緒に引っ張られますよね?

それと同じようなイメージで、身体の背面のどこかが緊張することによって、足底部との引っ張り合いっこが起こるケースがあります。

手の問題

手の骨格模型

足底筋膜炎の症状をお持ちの方は、手の問題を抱えているケースが多いです。

整体の考え方のひとつに相関関係というものがあり、その中では「似た構造をしている部位は、似た働きをする」と考えます。

下の写真をご覧ください。

足と手の骨模型

手と足を二つを並べてみるとこんな感じです。

何だか、形が非常に似ていますね。

根本に細かい骨がついていて、そこから細長い骨が伸びていき、しかも本数も同じ。

このような相関関係で見た時には、足に問題が起きている場合は手のケアも同時におこなうことで、身体のバランスがとれやすくなると考えられます。

もちろん、どこに問題が起きているのかをしっかりと触診した上で調整していきます。

身体の重心の問題

背中の検査をしている様子

重心の問題と足底筋膜炎は、特に関連性が高いです。

なぜなら、重心のズレなどが生じた場合、足底部はその左右差をダイレクトに受けることになるからです。

左右差だけでなく、「つま先重心」「かかと重心」などに代表される前後の重心の問題も、足底筋膜炎の原因となり得ます。

重心の問題は、足だけでなく全身の要素が関連するため、痛んでいる局所以外にも目を向けてアプローチすることが大切です。

当院の足底筋膜炎の整体

当院での足底筋膜炎の整体の流れについてお伝えしていきます。

・身体の構造のチェック

まずは身体の構造面に問題がないか、全身の状態をチェックしていきます。

足底筋膜炎は足裏以外の箇所の問題も大きく関連するため、細かくチェックしていく必要があります。

・神経学的検査

足の筋力検査の様子

神経学的検査を用いて、筋肉の反射や神経伝達の状態について調べていきます。

足底筋膜炎では、足裏の組織の状態に加えて周辺組織の筋力や神経伝達の状態が関連します。

・構造面へのアプローチ

足の整体をしている様子

整体施術による構造へのアプローチをおこなっていきます。

足裏をはじめとする全身の構造を整えていきます。

・体液循環の促進

体液循環の調整をおこなっていきます。

足底筋膜炎には神経系の状態が関連しますが、体液はその神経伝達を促すのに必要となるため、これらの循環調整は重要なアプローチとなります。

・自律神経へのアプローチ

自律神経の整体をしている様子

自律神経へのアプローチをおこなっていきます。

身体の回復力や治癒力向上のためには、副交感神経の調整が必要となりますが、その際にポイントとなるのが仙骨・頸椎・頭蓋骨などです。

これらが副交感神経と密に連携しているため、歪みや硬さをはじめとする問題を取り除く必要があります。

自律神経の調整時はとても心地よい感覚で、眠ってしまう方が非常に多いです。

対症療法と根治療法どちらを選ぶ?

ここまでのお話を聞いて、症状や局所に対してアプローチするだけでは、根本的な改善が難しいことは分かっていただけましたか?

症状はあくまで結果であり、それを引き起こしている原因が足裏だけにあるとは限らないのです。

にも関わらず、足裏ばかり押さえたりしているのは、対症療法以外の何ものでもありません。

私がお伝えしたのはあくまでも仮説ですが、実際に全身を整えることで、足底筋膜炎の症状がよくなっている方がいるのです。

施術をしていく際に必要なことは、「足底筋膜炎」という言葉に惑わされず、あなたが抱えている本当の原因を見つけ出していくことです。

そのような施術を受けることがきっかけで、実は悩んでいた別の症状まで無くなったというケースもあったりします。

とりあえずやり過ごせれば良いのか?

それとも

根本改善して本来の状態に戻りたいのか?


ひとつしかないあなたの身体をどうしていきたいのか、今一度考えてみてください。

まとめ

足底筋膜炎についてまとめていきます。

  • 足底筋膜は足裏の構造を支える膜組織のこと
  • スポーツなどでの負荷が原因となりやすい
  • 足裏以外の問題が関連して起こることが多い
  • 対症療法では痛みがとりきれないことがある
  • 全身の状態を整えていくことが改善の第一歩


足底筋膜炎をはじめとする、足裏の痛みでお悩みの方は臨床上かなり多いです。

こちらの記事でもお伝えしたように、立ったり歩いたりして生活する以上、足裏に負担をかけないようにすることはほぼ不可能です。

そのせいで症状が長引いてしまったり、なかなか改善しないケースも少なくありません。

しかし、足底筋膜炎が起きているのには必ず原因があります。

当院では、そんなあなたの身体に起きている痛みの原因について、様々な検査や施術を用いて見つけ出していきます。

全身を整えて根本的に足底筋膜炎をよくしていきたい方は、一度ご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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