院長ブログ

起立性調節障害(OD)の整体|原因や改善法を大阪の自律神経症状専門の整体院が解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI 代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、起立性調節障害(OD)をはじめとする自律神経症状の施術現場に携わってきました。

今回の記事では、自律神経症状専門の整体師である私の経験をもとに、起立性調節障害(OD)の原因や当院での整体についてお話ししていきたいと思います。

起立性調節障害(OD)の症状

お母さんに抱っこされている子供

起立性調節障害(OD)の症状についてご紹介していきます。

  • 朝が弱くてなかなか起きられない
  • 身体のだるさや不調をよく訴える
  • 日頃からあまり食欲がない
  • 朝から学校に行くのが難しい
  • めまいや立ちくらみがよく起きる
  • 動悸、息切れなどを訴えることがある
  • よく頭痛を感じやすい


上記は、起立性調節障害(OD)で起こりやすい症状の一例です。

主には自律神経の調節がうまくいかずに、朝起きるなどの日常の些細な場面で不調を訴えることが多くなります。

そして実は、不登校児童の約3分の2は起立性調節障害(OD)であるというデータもあります。

お子さんだけでなくご家族全体にも関わってきますので、早めに解消できるよう親御さんの協力も大切となってきます。

起立性調節障害(OD)の原因

起立性調節障害(OD)の原因について解説していきます。

一般的に提唱されている原因には、

  • ストレス
  • 自律神経の乱れ
  • 水分不足
  • 運動不足


などが挙げられます。

その中でも、 自律神経の機能低下 を起こしてしまうことが、起立性調節障害(OD)の大きな原因だと言われています。

↓自律神経の交感神経・副交感神経のイメージ図。

自律神経のイメージ図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

自律神経は私たちが生活する様々な場面で、身体の機能を調整してくれる働きを持っています。

例えば、私たちが朝起きる時には、自律神経の中でも交感神経にスイッチが切り替わることで起床することができます。

しかし、自律神経の機能低下によって切り替わりがうまくいかない場合、なかなか布団から出られなかったり、立ち上がった時にふらつきを感じたりしてしまいます。

逆を言うと、機能低下を起こしている自律神経の状態を回復させることで、起立性調節障害(OD)は改善に導ける可能性があるということです。

いわゆる、自律神経失調症と共通する部分が多数存在します。

【あわせて読みたい記事】
◇自律神経失調症の改善方法

起立性調節障害(OD)の診断について

起立性調節障害(OD)に対する、 病院での診断と治療について解説していきます。

まずは問診を通して、起立性調節障害(OD)の症状が2〜3個以上該当するのかを確認していきます。

その後、

  • てんかん
  • 鉄欠乏性貧血
  • 心疾患
  • 甲状腺
  • 副腎


などの別の疾患との鑑別検査を行っていきます。

他には、立ち上がった時の血圧・脈拍などをチェックする新起立試験と呼ばれるものが実施されたりします。

それらの情報をもとに、起立性調節障害(OD)であるかの診断が行われます。

一般的な治療法

起立性調節障害(OD)の明確な治療法はまだ確立されていません。

薬物療法による効果があまり期待できないため、日常生活の習慣改善が主に取り組まれます。

一例としては、

  • 1日に数十分のウォーキング
  • 水分摂取を十分に行う
  • 塩分摂取のコントロール
  • 長時間の立ちっぱなしを避ける
  • 頭を低い位置からゆっくりと動かし立つ


など、様々な工夫をして取り組みます。

周りのサポートが必須

ママと一緒に遊ぶ子供

起立性調節障害(OD)の治療では、周りのサポートが必須であると言われています。

最初に知っておいて欲しいことは、ODの子は 怠けている訳ではない ということ。

本当なら元気に学校にも行きたいし、何かに打ち込む才能を持っているはずなのですが、身体の何らかの問題が壁となり現在のような状態に至っているのです。

お恥ずかしながら、私自身も過去に自律神経の不調で体調を崩したことがありました。

その時はなぜか

「自分には味方がいないんじゃないのか?」
「休んだらサボっていると思われるんじゃないか?」


と、どこか孤独な思いをしていた記憶があります。

身体に何らかの問題が起きている状態だったので、精神的にも前向きになれるはずもなく、一人で抱え込むことになっていたのでしょう。

にも関わらず、「気合が足りない」と対応するのはかなりのリスクがあります。

せめて、味方であるご家族からプレッシャーをかけてしまうようなことは避けたいところです。

また、お子さんの気持ちを聞き逃さないよう、普段からコミュニケーションを取れる環境作りも大切となります。

起立性調節障害(OD)は整体でよくなる?

患者さんへのヒアリング風景

起立性調節障害(OD)の原因が自律神経の問題なのであれば、整体で改善に導くことは十分可能です。

むしろ、整体だから改善できるとも言えます。

なぜなら、整体施術を的確に行えば、自律神経の状態を整えることができるからです。

自律神経は、私たちの意思に関わらず自律的に身体の機能を調節してくれる神経ですが、その乱れは身体の歪みや硬さ、体液の停滞などの身体的要因で起こりやすいからです。

そのあたりの問題を取り除いていくことで、起立性調節障害(OD) の状態を好転させていくことは可能であると私は考えます。

整体で何を整えていくのか?

整体施術を通して、身体の不調の元となる細胞レベルの組織までアプローチを行います。

その組織には様々なものがあります。

  • 筋肉
  • 筋膜
  • 靭帯
  • 関節
  • 血管
  • 神経
  • 内臓
  • 体液


など、身体のどこの層でどんな問題が起きているのか、身体に触れることで判断していきます。

起立性調節障害(OD)の場合は自律神経が深く関わっているため、身体で問題のある組織を整えることで自律神経が働きやすい状態にもっていくことが重要です。

残念ながら、起立性調節障害(OD)を治すツボというものは存在しません。

できることは、あなたの身体に起きている 硬くて動かないところ を調整していくことです。

そのような問題が調整されることで、起立性調節障害(OD)の症状は改善に向かうと考えます。

臨床でよく出会うODの共通点

整体を行う上でよく見かける、起立性調節障害(OD)の共通点や原因箇所についてご紹介していきます。

胸部の硬さ

胸部の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

起立性調節障害(OD)の臨床現場では、前胸部周辺の膜組織の硬さを感じることが多いです。

胸のあたりは心臓をはじめとする循環に関わる組織が多く存在しているため、起立性調節障害(OD)の症状とも関連が深い場所です。

このあたりが硬くなることで、自律神経の乱れや血圧の問題、精神面にも影響を及ぼすことが考えられます。

また、胸部にはリンパの集合体が多数存在するため、体液循環などにも大きく関連してきます。

横隔膜の問題

横隔膜の解剖図イラスト
【プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖第3版より引用、編集】

起立性調節障害(OD)では、横隔膜の動きの悪さを感じるケースが多々あります。

横隔膜は呼吸をする際に重要な役割を持ち、その他にも体液循環など私たちが活動していくのに必要なジャンクションの働きをしています。

横隔膜の問題によって呼吸の乱れが起こると、それに伴って自律神経の機能にも影響が及びます。

すでにお伝えしている通り、自律神経の問題は起立性調節障害(OD)の大きな原因でもあるため、整体によるアプローチが必要とされます。

脊柱の問題

背部の整体施術の風景

脊柱(背骨)の問題も起立性調節障害(OD)に影響を及ぼします。

なぜなら、脊柱には起立性調節障害(OD)の原因でもある自律神経が存在しており、歪みや硬さなどのトラブルが起こることで自律神経の乱れを引き起こしてしまうからです。

特に頸椎〜腰椎のエリアは交感神経を支配しているため、

  • 朝起きれない
  • やる気が出ない
  • 集中力が続かない
  • 身体がだるい


などの症状にダイレクトに影響します。

起立性調節障害(OD)では、この脊柱の問題を取り除くことが非常に重要となります。

当院の起立性調節障害(OD)の整体

当院の起立性調節障害(OD)の整体の流れについてご説明していきます。

・身体の歪みや硬さの検査

姿勢のチェックをしている様子

身体の構造面に問題がないのかチェックしていきます。

起立性調節障害(OD)の原因とも言われている自律神経の問題は、この構造面の問題に由来していることが多いため、細かく検査を行います。

猫背など、姿勢の悪さがあるタイプの方なども、自律神経の乱れを引き起こしているケースが多いです。

・神経伝達のチェック

脳神経の検査をしている風景

身体を動かす際に必要な神経伝達の状態をチェックしていきます。

先ほどもお伝えしたように、起立性調節障害(OD)では自律神経が関連するため、神経伝達のエラーが起きていないかチェックすることも必要です。

神経伝達に問題が起きている場合、そこを無視して施術をしたところで身体に加えた刺激はうまく伝わりません。

そのため起立性調節障害(OD)の整体では、神経伝達の問題を確認することがとても重要となります。

・構造の歪みの矯正

背骨の骨格調整の様子

構造面の歪み・硬さを矯正していきます。

構造の問題を整えることで、起立性調節障害(OD)の原因である自律神経の機能も効率よく作用させることができます。

・体液循環の調整

足の整体施術をしている様子

整体を用いて体液循環の促進を行っていきます。

体液とは、主に血液・リンパ液・脳脊髄液(CSF)のことです。

起立性調節障害(OD)の原因の一つに「水分不足」が挙げられていますが、もちろんこれらの体液も同じ水分の一種です。

体液循環では、そもそもの水分摂取量が少なくてもだめですし、量はあってもうまく循環していない状態もまた問題です。

先ほど出てきた神経伝達の状態を良くするためにも、体液循環が切り離せないものとなっています。

・自律神経の調整

頭の整体施術をしている様子

起立性調節障害(OD)の大きな原因と言われている自律神経の状態を整えます。

ただ単にリラックスさせると言うわけではなく、自律神経の主な働きである交感神経・副交感神経のスイッチのオンオフをうまく切り替えられるようバランスをとっていきます。

自律神経の調整を行うことで、睡眠の問題や起床時の辛さの軽減、身体を回復させるために必要な機能面を高めることが期待できます。

ODは早期治療が特に重要

起立性調節障害(OD)は早期に治療を行うことが特に重要になってきます。

なぜなら、放置することで大人になっても症状を引きずってしまう可能性があるからです。

起立性調節障害(OD)の症状については、軽度の場合は数ヶ月で改善していくケースもあります。

ご自身では「自然に治った」と感じるかもしれません。

しかし、「症状が出なくなった」のと「根本原因がなくなった」は必ずしもイコールの関係ではないのです。

状態によっては、大人になってから何らかの問題が表面化してきたりするケースもあるのです。

何が言いたいかというと、 今起きている問題は今解消する必要がある ということ。

整体でできることはたくさんあるので、少しでもお子さんのためになりそうなことは試していただければと思います。

まとめ

起立性調節障害(OD)についてまとめていきます。

  • 主に自律神経の問題が関連する
  • 本人は決して怠けているわけではない
  • 改善には周囲のサポートが必須
  • 身体の全ての組織に対しての施術が必要
  • 症状が出ている今対処していくことが重要


起立性調節障害(OD)であるご本人、それを支えるご家族、色々と大変で不安な状況であるかと思います。

「自分はこういう体質だから…」
「もう仕方ないんじゃないか?」

そう諦めかけている方もいるかもしれません。

しかし、起立性調節障害(OD)が起きているのには必ず原因があります。

こちらの記事でご紹介したように、整体によるアプローチで起立性調節障害(OD)の原因となる部分へのアプローチは十分可能です。

状態によっては時間がかかるケースもありますが、原因となる身体の問題を整えなければ本当の解決にはなりません。

大切な成長期のお子さんの生活を、少しでも充実したものにできるよう、できることから取り組んでみてください。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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