院長ブログ

坐骨神経痛の整体|原因や解消法まで大阪の慢性痛専門の整体サロンINUIが解説

こんにちは。新大阪・西中島南方エリアの整体院、整体サロンINUI代表の乾です。

私は18歳で整体業界に入ってから12年以上、坐骨神経痛や慢性的な痛みの施術現場に携わってきました。

こちらの記事では、坐骨神経痛の原因や整体による解消法について詳しくお話ししていきます。

坐骨神経痛の症状一覧

坐骨神経痛の症状についてご紹介していきます。

  • お尻のあたりがよく痛む
  • 太ももの裏あたりに痛みやしびれを感じる
  • 臀部から足全体にしびれがある
  • 足の一部でうっすら感覚が鈍くなっている箇所がある
  • 長時間の作業で負担がかかると坐骨神経痛が出る
  • 足の張りや締めつけ感、違和感が取れない


これらは坐骨神経痛で悩まれている方がよく訴える症状の一覧です。

臀部や足に軽い違和感を感じる方から、長時間立ったり歩いたりすることも困難になる人まで、坐骨神経痛の症状の出方は人それぞれです。

坐骨神経痛は整体の臨床現場でも頻繁に見られるものですが、意外にも症状が起きている局所以外の部位も原因となり得るため、根本的に改善するためには身体の全体を整えていく必要があります。

坐骨神経とは?

坐骨神経について詳しくご説明していきます。

坐骨神経とは、腰から足にかけて長く続く神経のことです。

その特徴から、人体で最大の神経と呼ばれています。

坐骨神経の走行を示した解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

こちらの図は太ももを後ろから見たものです。

ちょうど真ん中に通っている黄色い管状のもの、これが坐骨神経です。

坐骨神経は、腰周りにある腰(よう)神経叢・仙骨(せんこつ)神経叢と呼ばれるところから始まり、臀部から脚の後面を通って足底部まで長く伸びています。

解剖図をみてわかる通り、坐骨神経が走行している範囲のどこかに問題が起こることで、坐骨神経痛を発症する可能性があるのです。

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛の原因には様々なものがあります。

一般的な原因には、

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 脊柱管狭窄症
  • 梨状筋症候群
  • 内臓疾患
  • 帯状疱疹
  • 過度な運動による負担
  • 長時間の座り姿勢
  • 運動不足

などが挙げられます。

このように、様々な疾患や習慣によって坐骨神経痛が起こるため、何が原因で発症しているのかをはっきりとさせることが症状改善には重要となります。

病院での検査・治療

坐骨神経痛における病院での検査や治療についてご紹介していきます。

検査では坐骨神経痛を引き起こしている原因がどこにあるのか、腰椎のレントゲン検査・CT・MRI・X線検査などを用いて確認していきます。

病院における坐骨神経痛の治療では、まずは手術以外の方法によって症状の緩和を目指します。

具体的には、

  • 痛み止めの薬
  • 痛み止めの注射
  • けん引療法
  • 装具療法(コルセットなど)
  • 運動療法(ストレッチなど)


などが用いられます。

しばらく治療を続けてみて改善が見られない場合、または排尿・排便障害が出た場合などでは手術を検討するケースもあります。

坐骨神経痛は整体で良くなるの?

骨盤模型を使って説明している様子

長年、整体の臨床現場に携わる私の経験上、腫瘍によるものなどの特殊な原因を除けば、ほとんどの坐骨神経痛は整体による改善が見込めます。

なぜなら、坐骨神経痛は身体の歪みや硬さなどの問題によって引き起こされ、整体ではそれらの身体の各組織に対して直接的にアプローチをすることができるからです。

坐骨神経痛が起こっている場合、必ずと言って良いほど身体のどこかに問題があります。

その問題を整体施術を通して整えていくことで、 坐骨神経痛の症状が解消されると考えられます。

坐骨神経痛の整体で大切なこと

坐骨神経痛の整体をする上で大切なこと、それは 支配神経の把握 です。

↓まずはこちらの図をご覧ください。

下肢後面の神経支配の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

これは身体の支配神経の領域を示したものです。

ちょうど臀部から太もも、ふくらはぎにかけてピンク色のエリアに「S1、S2」と書いてありますよね?

実はこれは「仙骨神経の1番目と2番目の担当エリアですよー」ということを教えてくれているのです。

つまり、腰や臀部・脚に問題がなくても、仙骨という骨盤の一部を構成する骨に歪みなどの問題があれば、先ほどのピンクのエリアにしびれや痛みが起こる可能性があるということなのです。

また、腰のあたりのL1〜L5と書かれたエリアからは、紫色のエリアが太ももの前側に伸びていますね。

逆にこれは、腰に問題があったとしても、必ずしも臀部や太もも裏などの背面に症状が出るとは限らない、ということを示してあります。

このように、身体には坐骨神経痛などを始めとするしびれ、痛みなどの関連部位の指標となる地図がもうすでに存在しているのです。

解剖学における神経支配の領域をうまく用いることで、整体施術による坐骨神経痛の症状改善にとても役立ちます。

坐骨神経痛の原因になりやすい箇所

私が坐骨神経痛の方の整体施術をする上で、よく見かける原因箇所をご紹介していきます。

胸椎・腰椎の問題

胸椎の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用、編集】

イラストの青丸部分が胸椎(きょうつい)、その下の5つ並んでいる骨(L1〜L5)が腰椎(ようつい)です。

坐骨神経痛の症状で悩んでいらっしゃる方はこの胸椎、腰椎のエリアに問題が起きているケースが多いです。

腰椎は坐骨神経の起点となる場所であるため、坐骨神経痛の症状に直接的に影響しやすい部位ですが、その上部にある胸椎も身体の動きにおいて腰椎と大きく連動するためチェックが必要な箇所の1つです。

側頭骨の問題

側頭骨のイメージ図

側頭骨(そくとうこつ)の問題も坐骨神経痛の原因となります。

その理由の一つに、相関(そうかん)関係というものがあります。

整体における一つの考え方なのですが、相関関係では”身体で似ている形状のものは相互に関連し合う”と言われています。

坐骨神経痛の症状が起きる骨盤には腸骨(ちょうこつ)という骨がありますが、 今回の側頭骨と腸骨は形状が似通っており臨床的にも反応の出やすい部位です。

腸骨と側頭骨の相関関係図
【腸骨と側頭骨の相関関係のイメージ】

このような関連性も整体施術の中では一つのヒントになります。

前胸部の問題

胸部の解剖図
【ネッター解剖学アトラス 原書第6版より引用】

前胸部の硬さなどの問題も、坐骨神経痛を引き起こす一つの要因です。

前胸部の膜組織が緊張すると、それによって姿勢不良を起こし本来負担のかかるはずのない箇所に影響を及ぼします。

坐骨神経痛の方の整体施術をしていると、この前胸部の問題を抱えていることが比較的多いと感じています。

当院での坐骨神経痛の整体

当院での坐骨神経痛の整体の流れについてご紹介していきます。

まずは身体全体の歪みなど、構造面の問題を検査していきます。

重心の左右差など、坐骨神経痛に関わりのある問題がこの検査の段階でハッキリするケースもあります。

次に整形外科的検査を用いて、腰椎椎間板ヘルニアなどの坐骨神経痛を引き起こす病態との鑑別を行っていきます。

足の筋力検査の様子

しっかりと検査を行うことで、整体でのアプローチが必要な箇所が絞ることができます。

次に脳神経のテストを行います。

神経学的検査をしている様子

写真のように目を閉じて自分の関節の位置感覚を確かめてみたり、実際に身体をコントロールする上で必要な脳神経の状態を確認します。

検査で得られた情報をもとに、整体施術の中で坐骨神経痛の原因箇所にアプローチしていきます。

足の整体をしている様子

後ほど、「坐骨神経痛の間違ったケアの仕方」でもお伝えしますが、整体施術で安易に強い刺激を入れるのは禁物です。

刺激の入れ方を間違えなければ、優しい力でも十分身体の組織は反応してくれます。

坐骨神経痛の原因となる神経や体液循環の問題も合わせて調整していきます。

頭部の整体施術をしている様子

整体施術の後に再度身体の動きや歪みを検査し、変化を確認・共有していきます。

その他、日常生活での注意点や坐骨神経痛の改善に必要な要素を細かくお伝えしていきます。

坐骨神経痛の間違ったケアの仕方

骨格調整をしている様子

坐骨神経痛の間違ったケアの一つに、「臀筋をほぐす」というものがあります。

厳密に言うと、「臀筋を 強く押さえて ほぐす」です。

確かに、私もこれまでに「坐骨神経痛は臀筋をゆるめると治る」と聞いて臀筋を狙って刺激の強い施術していた時期があります。

また、臀部は脂肪組織が多いため、深い部分に刺激を入れようと頑張ってグイグイ押さえてしまいがちです。

しかし、本当に臀筋が原因で起きている坐骨神経痛なのでしょうか?

それが分からない状態でとりあえず強く押さえるというのは、筋性防御によってさらに筋肉が硬くなったり、強い刺激によって局所の組織に微細な損傷を引き起こす原因にもなります。

こちらの記事でもお伝えしているように、坐骨神経痛の原因がどこにあるのかを把握した上でケアを行わないと、逆に症状を悪化させることにもなるので注意が必要です。

まとめ

最後に、坐骨神経痛の要点をまとめます。

  • 坐骨神経は腰から足まで長く伸びる神経のこと
  • 病院では保存療法が中心で、ひどい場合は手術
  • 坐骨神経痛の整体では神経支配が重要となる
  • 坐骨神経痛の際に臀筋を強く押さえるのはNG


こちらの記事でもご紹介しているように、坐骨神経痛の症状は様々な原因によって引き起こされます。

その原因を見つけ出しアプローチをしていかなければ、いくら局所を揉んでも坐骨神経痛は改善されません。

辛い坐骨神経痛の症状でお悩みでしたら、一度当院にご相談いただければと思います。


*ご予約はこちら→〈予約・お問い合わせページ〉

【記事作成者 整体サロンINUI(新大阪・西中島南方)】

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乾 裕樹

乾 裕樹

大阪府出身 1990年9月11日生まれ 血液型 A型 明治東洋医学院専門学校 鍼灸学科卒業 取得国家資格 はり師・きゅう師 一般社団法人 日本統合手技協会 理事 一般社団法人 日本統合手技協会 公認インストラクター 京都府立医科大学 解剖実習修了  (施術家としての経歴) 高校卒業後、18歳で施術家の道へ。 午前は鍼灸の専門学生として学び、午後は地元の鍼灸整骨院で夜遅くまで勤務。 主に運動器疾患やスポーツ障害についての理論や施術方法を習得する。 ↓ 専門学校卒業後は不妊症を専門とする鍼灸院にて修行。 婦人科疾患や逆子の施術、小児はり、自律神経失調症の方々へのアプローチ、東洋医学的な診察方法について学ぶ。 お客様への接遇や仕事に対する姿勢など、社会人としての基礎を教えて頂く。 ↓ 内臓へのアプローチを専門とする整体サロンにて修行。 肩こりや腰痛などをはじめとする身体の痛みと、内臓の問題が関連することを学ぶ。 それと同時に、筋肉を揉んだりほぐすだけでは根本的には良くならないことを知る。 ↓ 妊産婦のお悩みを専門に扱う整体サロンにて修業。 産後骨盤矯正やマタニティ整体を通して、産後ママや妊婦の身体の状態について学ぶ。 その他、発達の遅れやチックなどの小児整体、美容鍼・小顔矯正のテクニックを習得。 26歳で同サロンの分院長に就任。 約4年にわたり代表セラピストとして全ての施術メニューを担当し、所属スタッフの技術指導・育成に携わる。 ↓ これまでの技術・経験だけでは改善できない症状に数多く巡り合い、施術家としての頭打ちを感じる。 そんな折、現在の師匠である松本恒平と出会う。 多くの施術家が見落としている原理原則、触診、国際基準の療術について学び、これまで習得した技術や知識のバラバラだった”点”が”線”で繋がる。 それをきっかけに、辛い症状と闘う人たちの力になれることを確信し地元である新大阪・南方エリアにて開業。

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